過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
1- 20
28:1/3[saga]
2012/08/24(金) 00:30:40.23 ID:+gymnPO2o
【ギクシャク】

「ふぅ〜」

「少し休憩したらどうですか? はい、アイスなコーヒー」

「ごめんなさい律子さん、本当は私が淹れないといけないのに……」

昨日に引き続き、律子さんは事務仕事を手伝ってくれている。
別に私一人で出来ないこともないし……普段サボってるわけじゃないけど、
やっぱり一人よりも二人でしたほうが仕事は捗る。

「随分疲れてますね」

流石は人気アイドルをプロデュースする律子さん。
ちょっとした表情の変化から、その人の体調を見抜くことが出来る。

事務員である私も、一応そういうことに長けていないといけないんだろうけど、
こんな私に出来ることは、せいぜい服装の違いに気付けるかくらいのもの。

今日の律子さんは珍しく私服姿で、あまりにスーツが定着したからか、逆に新鮮な感じ。

「え、えぇ……ちょっと昨日眠れなくて」

「あぁ、プロデューサーのことを考えて?」

「ちちちち違うわよっ! 別にそんなのじゃ……」

「へぇ〜そうでしたか」

「…………考えてました」

これまで意識してこなかったこと、意識することを
避けてきた人を嫌でも意識しなくてはならなくなった。

昨日の夜布団に入ると、頭の中がプロデューサーさんで一杯になって、
ぐるぐると駆け巡って、かき回して………そしてど真ん中に鎮座していた。

それを律子さんの“所為で”と言うと、語弊があるけれど、
律子さんの“お陰で”と言うと、これもまた語弊があるような気がする。

「で、一晩考えた結果は?」

「えっ」

「どう思ってるんです? プロデューサーのこと」

「そ、それは……いいなぁとは思ってますけど……ねぇ」

「釣り合わないと」

「そう」

プロデューサーさんには、私みたいに誰とも付き合ったことがない
寂れた女なんかより、もっとずっと素敵な人に巡り合えるはずですもの。

私なんかに引っかかるわけないけど、プロデューサーさんの幸せの邪魔をしちゃ悪い。

「もっと自信持っていいと思いますけどねぇ私は」

「うぅん……私なんかが好意を持っちゃ、きっと迷惑です」

律子さんを見てみると、少し怖い顔をしているようだった。
自分に自信を持てない私に心底苛立っているのかしら。

でも……やっぱり、そう簡単に自信なんて…………。

「小鳥さん」

「……はい」

「プロデューサーが迷惑だって、そう言ったんですか? そういう風な態度を取ったんですか?」

「それはないけど……きっとそうよ!」

「そうですか、わかりました」

いつものように腕を組んだ律子さんは、人差し指を頬にあてた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
77Res/124.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice