過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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29:2/3[saga]
2012/08/24(金) 00:31:44.20 ID:+gymnPO2o
「つまり整理すると、プロデューサーのことは好きだけれど、
 高嶺の花だからアプローチなんて到底出来ないわーってことですね?」

「せ、整理しないで貰いたいけど……そういうことです」

律子さんに心の中をすべて見透かされているようで、服を着ていないような気にさえなる。

今に始まったことじゃないけど、明らかに私と律子さんの関係は実年齢とは逆を行っている。
これじゃ私の方が年下みたい……なんて言うと、律子さんは怒るかしら?

「自信がないことにだけは、自信があるんです私は」

「でも実際には、どう思われてるか分からないじゃないですか」

「えぇまぁ」

それは確かに律子さんの言うとおりかもしれない。
でも、だからこそ、プロデューサーさんに好意を持つことが怖い。

私と同じ気持ちでいてくれたなら、それはとっても素敵なこと。
でも、それがもし違っていたら? 真逆だったら?

私には告白しても成就しない未来しか思い浮かばなくて、気まずい空気しか想像できない。

「振られちゃったら、きっと事務所の空気に耐え切れなくなってしまって………」

「ですから、それを事前に見極めるんですよ」

「どうやって?」

「簡単ですよ! 今日にでも『晩御飯ご一緒しませんか?』って誘ってみるんです」

「えぇー!?」

「……そんなに驚くようなこと言いました?」

言いましたとも!

そう突っ込みたくなるのを何とか抑えて、小さく咳払いをする。
ご飯に誘ったり、デートに誘ったり……そういうことが出来ないから困ってるのに…………。

「だ、だって……絶対変に思われちゃいますよぉ
 好意を持ってるなんて感付かれたら、それだけでギクシャクしちゃう」

「平気です!」

眉をひそめた真剣な眼差しを向けて、律子さんは私にズイと顔を近づけた。
思わず後ろに仰け反った私は、危うくイスから転げ落ちてしまうところだった。

「いいですか! 食事に行くというは、実はとても便利な行動なんですよ」

「と、言いますと?」

「仕事仲間と食事に行ったりするのは、ごく普通のことですよね?」

「えぇ」

  『今日一杯どう?』
  『ウチのコレがコレなもんで………』

アフターファイブのオフィスなんかでは、こんな一幕も見慣れたものかもしれない。
たまに独りで行く居酒屋でも、仕事帰りと思しきスーツ姿の男女が杯を交わしていたりする。

「恋人同士で食事に行くのもまた、ごくごく普通のことですよね」

「ま、まぁそうなんでしょうね」

確かにたまに独りで行くファミレスやなんかでも、
若い男女がニヤケ面で目と目を見交わしていたりする。


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