過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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2012/08/24(金) 01:13:25.04 ID:+gymnPO2o
【罪悪と背徳と】
「う、う〜ん」
頭痛と共に目を覚ますのは余りお勧めできない。
目を開ける前に、これまでの記憶を再構成してみようかしら。
私は今日プロデューサーさんと居酒屋に行く約束をしていた。
お店のドアを潜ったことも覚えてるし、乾杯をしたことも覚えている。
一杯目、二杯目……三杯目………この辺りから記憶が薄れて、
一番最後の記憶は私が泣き喚いているところ。
でも景色だとか状況はまったく覚えていなくて、
ただただ激しく泣いていたことだけが頭に残っている。
それにしてもどうやってお家に帰りついたのかしら?
プロデューサーさんが送ってくれたのかな?
……それで何もせずに帰っちゃったのかしら?
「……あれ?」
なんとなく、今自分が寝ているのがベッドじゃないような気がした。
お家のベッドに比べて少し硬いと言うか、張りがあるというか、
そう、まるで事務所のソファーのような…………。
「ここは……事務所?」
目を開けてすぐに飛び込んできたのは、どこの事務所でも見られるはずの、
白いトラバーチン模様の天井と、規則的に取り付けられた蛍光灯だった。
確かその天井は、化粧石膏ボードだとか、ジプトーンとか言う名前だった気がする。
数年前に天井の一部を張り替えたことがあって、そのときに聞いたからよく覚えている。
辺りを見回してみると、そこは見慣れた自宅ではなく、
見慣れてはいるけど、数時間前に後にしたはずのいつもの仕事場765プロだった。
何故にWHY? 私は事務所に居るのかしら?
どうして来客用ソファーで眠っているのかしら?
「小鳥さん、目が覚めました?」
「ひゃぁ!」
急いで身体を起こすと、そこにはグラスを片手に微笑むプロデューサーさんの姿。
「かなり飲んでましたもんね……はい、お水です」
「あ、ありがとう」
結露したグラスを受け取り、喉を鳴らして水を飲む。
酔いの所為なのか、その水はなんとなく苦く感じた。
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