6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 19:51:03.70 ID:NZSihzP+o
「んぅ……」
頭の割れそうな頭痛に目を開ける。いや、開けたはずであった。
だが、視界は闇に包まれたままだ。
「え?」
事態が把握できない。
無意識に体を動かそうとして、自由がきかないことにも気づいた。
「え……」
驚きの声もかすれ、まともに出てきていない。
これは一体どういうことだと千々に乱れる思考をまとめようとしていると、聞き慣れた声が耳朶を打った。
「律子姉ちゃん!?」
「涼? 涼、いるの?」
「うん。少し離れたところだけど……」
「良かった……」
暗闇の中、唯一導きの光となるような温かさをその声に感じる。
まるで状況は把握できないが、涼は無事で、そして、一緒にいるらしい。私はほっと息を吐いた。
けれど、その安堵は即座にひっくり返される。
「それが、良くないんだよ。律子姉ちゃん」
「え?」
そこで彼は少し口ごもり、私は暗闇の中で待たされることとなる。
その間に、思い出していた。そうだ。私、殴られて……。
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