32:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 00:19:11.76 ID:bOaug2Ec0
ところが女は、窓から外をのぞきながら、もうすっかり元気が直って、勢よく言った。
女「銀河ステーションのおみやげ屋に行けば、立派な鉄道の地図が貰えたんだって。
でも構わない。私たちの頭の中にはもう正確な地図が入ってるんだからね。」
男「じゃあ、今はどのへんに居る?」
女「もうじき白鳥の停車場だよ。」
地図を覚えることなんてしただろうかと男は思ったが、そう言われてみると確かに、
自分たちの居る場所がどのあたりかはっきりと分かるようだった。
女「見てよ。小石も水もすすきも、全部光ってる。」
そっちを見ると、青白く光る銀河の岸に、銀いろの空のすすきが、
もうまるでいちめん、風にさらさらさらさら、ゆられてうごいて、波を立てているのだった。
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