39:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 00:34:33.25 ID:bOaug2Ec0
さわやかな秋の時計の盤面には、
青く灼かれたはがねの二本の針が、くっきり十一時を指した。
みんなは、一ぺんに下りて、車室の中はがらんとなってしまった。
〔二十分停車〕と時計の下に書いてあった。
男「おれたちも降りてみるか?」
女「降りよ降りよ!」
女は一度にはねあがってドアを飛び出して改札口へかけて行った。
後を男が追いかける。
男「ちょっと待てよ!」
ところが改札口には、明るい紫がかった電燈が、一つ点いているばかり、誰も居なかった。
そこら中を見ても、駅長や赤帽らしい人の、影もなかったのだ。
二人は、停車場の前の、
水晶細工のように見えるイチョウの木に囲まれた、小さな広場に出た。
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