62:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 19:34:24.93 ID:bOaug2Ec0
男「屋根の上のは、白鳥座のくちばしの辺りにあるアルビレオって名前の二重星だ。
望遠鏡を通さないで見るときに、
風が吹くとちろちろまたたいて、くっついたり離れたりしてるように見えるんだよ。」
「さすがお詳しい。下の建物は、水の速さをはかる器械です。水も……。」
鳥捕りが言いかけたとき、
「切符を拝見いたします。」
三人の席の横に、赤い帽子をかぶったせいの高い車掌が、いつかまっすぐに立っていて言った。
鳥捕りは、だまって内ポケットから、小さな紙きれを出した。
車掌はちょっと見て、すぐ眼をそらして、(あなた方のは?)というように、指をうごかしながら、手を男たちの方へ出した。
男「えっ」
男は困って、もじもじしていたら、
女は、わけもないという風で、小さな鼠いろの切符を出した。
女「ほら、お爺さんからもらった紙。」
男は、すっかりあわててしまって、もしか上着のポケットにでも、入っていたかとおもいながら、
手を入れて見たら、何か大きな畳んだ紙きれにあった。
こんなもの入っていたろうかと思って、急いで出してみたら、それは四つに折ったはがきぐらいの大きさの緑いろの紙だった。
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