過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:37:25.78 ID:iKH2mB0/0

――昔、昔
人間の持つ技術も、知識も、今よりもずっとずっと拙く乏しかった時代。
世界は『魔族』どもの天下で、魑魅魍魎共は昼夜問わず跳梁跋扈し、
対して人間達は俯き、肩を窄め、ビクビクと怯えながら、不効率な農業でかろうじて飢えを凌ぐように生活していた。

魔族どもは生まれながらにして人間を紙の如く引き裂く筋力と、摩訶不思議を引き起こす魔力を持ち、
それに対する人間達ははあまりに無力であった。

富める者達は、高い城壁に囲まれた小さな街に住み、
それの出来ぬ貧しきものは、森や林の陰に隠れて息を潜め暮らしていた。

魔族と人間とでは種としての地力が違いすぎて、対峙しすれば殆ど勝負にならなかった。
勝負とすら、闘いとすら言えない、魔族側からの一方的な虐殺だった。
――極々一部の例外を除けば、だが。


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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:43:09.68 ID:iKH2mB0/0

人間にも、本当に僅かだが、魔力と精霊の加護を持って産まれて来る者達がいて、
そうした彼らは、魔族をも凌ぐ優れた闘う力を持っていたのである。

彼ら少数精鋭の戦士達は、無力な多くの人間達の盾として、縦横無尽の活躍を見せた。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:43:38.47 ID:iKH2mB0/0

――『俺』の先祖も、そんな『勇者』であったそうな。
家宝として後生大事にされている、カビ臭い武具甲冑の類は、
そんな御先祖の使ったモノで、俺が腰に吊っている伝家のサーベルは、実際に魔族どもの血を吸った代物であるらしい。
今は見る影もない、我が一族の昔日の栄光の残滓だ。


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:44:31.83 ID:iKH2mB0/0

――惨めで不安定な人類暗黒時代は、どうして終わったか。
それは『火薬』と言う名の文明の光が、人類を覆う闇へと刺さる様に差し込んだからだ。

『火薬』の威力は素晴らしい。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:45:55.21 ID:iKH2mB0/0

長い長い魔族による抑圧の時代の下で、人類の中では『勝利』への強い欲求が、
魔女の釜の内の様にドロドロと煮詰まっており、それが『火薬』によって一気に着火し、
その情熱の炎は、もはや世界を焼きつくさんまでの勢いだったのだ。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:47:38.40 ID:iKH2mB0/0



◇勇/魔◆

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:48:09.28 ID:iKH2mB0/0

――『連邦共和国/北部辺境』
――『第23駐在所』

魔族の領域と国境で接する国『連邦共和国』。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:49:59.71 ID:iKH2mB0/0

十人の騎馬警官は、先頭の一人を除いてほぼ同じ格好をしていた。
灰色シングルボタン詰襟肩章付きの上に、乗馬用ズボンの下、靴は拍車付きの黒革ブーツである。
頭には白色の日除け垂れ付き帽子カバーのついたケピ帽型の制帽を被っている。
各々、腰には六連発回転式拳銃を吊り、馬の鞍に設けられたポートに、単発前装式のカービン銃を差していた。
以下略



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