過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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145: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/09/30(日) 14:05:15.08 ID:2saX7b470

歩哨二等兵はレンズ越しに見えた『なにか』をそう認識し、驚きの声をあげた。
コウモリ然とした翼に、深緑色の鱗、蛇の様に長い首、そして、角の生えた鰐に似た頭部。
あれは……『竜種』の『ワイバーン』だ!恐らく、間違いあるまい!

『竜種』と呼ばれる、爬虫類の一種とされる極めて特殊な生物の一種が『ワイバーン』だ。

――『竜種』を爬虫類に分類する事には、学者の間でも今なお激しい議論があるが、
ここでは恐竜が爬虫類の一種であるように、『竜種』もまた爬虫類としておく。

『竜種』は主に三種類に分類され、それは『ドラゴン』『ワイバーン』『ワーム』の三種である。
四つ脚がドラゴン、二つ脚がワイバーン、脚が無い蛇体なのがワームであり、
その全てがコウモリ然とした飛膜のある翼を具えている。

そしてその全ての竜種に共通する特性として、『上級の魔族と心を交わす事ができる』というものがある。

おそらくは魔族が先天的に持つ魔術能力に依る手段であろうが、
竜種を家畜、あるいは騎兵として運用できるのは、この大陸においては魔族のみである。

口から火炎を吐き、空を飛び、その巨大な体躯を硬い鱗で守られたこの恐るべき動物を、
人間もまた自ら使役せんと何度となく試みたが、ただ人命と時間と資金を浪費しただけに終わった。
竜種を使役するには、ある種の魔術的感応能力が不可欠なようであった。

――そしてその竜種たるワイバーンが、空を飛んでいる。
天然の竜種は、基本的に魔族領域内の、火山地帯付近しか生息しない。
と、言う事はである。



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