過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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54: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/09/01(土) 21:44:45.41 ID:YUzVCn9G0

――駐屯所は蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
あちこちから既に逃げて来たらしい農民達で駐屯所の周辺はごった返している。
人々のわめき声に、子供や赤子の鳴き声が泣き声が唱和して、
耳ばかりか、頭まで痛くなってくる騒がしさだ。

その最中を飛び回って、大声で指示を出しているのは――

勇者中尉「副官少尉!」
副官少尉「あっ!隊長!それに曹長も!ご無事でしたか!」

第21乗馬警邏隊の副官少尉である。
まだ若く、黄色い髪に碧眼、白い肌の美貌の持ち主で、
かなりの童顔であり、ともすれば少年の様にも見える。

しかし、場末とはいえ、
中隊の副官――実際は曹長が殆ど副官のようなものだが――を任されるだけあり、
その幼い風貌には不釣り合いな、『老成している』とすら言える独特の風格があった。

貧しい生まれから苦学して士官学校に入学したという多難な経験が、
彼の年齢にや容貌に似合わぬ人格の成長を促したのだろう。
だが、人間、苦労すると年齢以上に老けこむと言うのが通説であるが、
その割には容貌が若い、というよりも幼いのはどういう訳か。
それには、彼の『父親』が関係しているのだが――

勇者中尉「(と、今はそんな事はどうでもいい)」
勇者中尉「副官少尉、現状報告!」
副官少尉「ハッ!」



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