591: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/04(火) 23:12:19.66 ID:KWWw9CIPo
とりあえずこれでこっちは大丈夫かな、と俺はここを離れてキッチンの方へと向かおうとする、が。
「あんちゃん……」
「小鳩……? どうした、お前も夜空達と一緒に……」
「いいのよ小鷹!! 小鳩ちゃんは休んでて?」
「おいおい、あんまり小鳩を甘やかすなっての。こいつすぐ調子のるし……」
「そうだぞ吸血鬼! オマエも一応お兄ちゃんの妹なのだから、ちゃんとお兄ちゃんの言うことは聞くのだ!」
「なんであんだがあんちゃんの事『お兄ちゃん』だなんて呼ぶんじゃばかたれ!!!!!」
小鳩が大声を出した。
そしてその声に、夜空と星奈も疑わしげな目で俺の方を向いて、
「そういえば小鷹……その事については私も深く聞いていなかったが……どういう事だ?」
「あんたまさか……ロリコンなわけ?」
「ち、違う!! これはただ……」
「お兄ちゃんが妹になっていいって言ってくれただけなのだ」
「あんちゃん!!! なんでうちがおるのに妹増やすと!?」
「いや、マリアにはただ俺を兄貴のように見てくれていいって言っただけで……」
「うううぅぅぅぅぅぅううううう!!!」
歯を剥きだして犬のように唸る小鳩。
それから俺が懸命に説得して何とか落ち着かせることはできたが、やはり納得いっていない様子だった。
これは、これからも色々と大変そうだ……と思った。
***
キッチンでは理科と幸村が大人しく野菜を切っていた。
まぁ先程の組と比べたらこっちはずっとマシか、と俺は安心して何も言わずに去ろうとする。
しかし。
「理科どの。あにきはヘタを取るなら先端だけでいいと……」
「ダメですよ幸村くん! 男の『先っぽだけ!!』っていうのは絶対信じてはいけません!!」
「何を言ってんだお前は!!!!!」
俺は即座に回れ右して、理科に詰め寄った。
「あ、小鷹先輩! 実は幸村くんが先っぽだけなんて甘いことを言っていて……」
「いいんだよ先っぽだけで!」
「理科は騙されませんよ先輩。先っぽだけといいつつ、結局は全部入れちゃうのは分かりきっています!」
「あぁ……俺もお前の変人っぷりは分かりきってるはずなのに、何でこんなに毎回頭が痛くなるんだかな…………」
「あにき、わたくしはあにきの『先っぽだけ』という言葉をしんじます」
「ありがとう幸村。でもその言い方は凄まじく誤解を生みそうだからやめてくれ」
確かに理科達の方は夜空達の方と比べればまだマシだった。
野菜も結構普通に切れている。理科とか料理をやりそうもなかったので、少し不安な部分もあったのだがこれなら十分な出来だ。
……それでも、やっぱり理科は理科だった。
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