925: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/13(木) 02:10:30.89 ID:LLo/0mxeo
***
体育館までパネルを運んだ俺達は廊下を歩いて生徒会室へ向かう。
帰りも行きほどではないが、それなりに注目されているのが分かる。
まぁ例え目立つものを持っていなくても、ヤンキーと生徒会長が並んで歩いていたら自然と目には止まる。
どこかの学園モノの漫画とかでありそうな光景だ。
日向さんは口元に小さく微笑みを浮かべて、
「まったく、別に私達を見ていてもそこまで面白くはないだろうに」
「面白いっていうかただ物珍しいって感じなんじゃないですかね」
「凸凹カップルみたいな感じか?」
「飼い主と犬みたいな感じじゃないですかね……」
俺は溜息をつく。
周りの人の表情はどこか希望を持ったようなものになっており、これは生徒会長が直々にヤンキーの管理をしてくれているという事からくるのだろう。
犬は犬でも、俺は躾の悪い凶暴な大型犬のような扱いだ。
「犬とは失礼だな。小鷹は臨時とはいえ立派な生徒会の仲間なのに」
「たぶんそこは大した問題じゃないんですよ。
こうして日向さんが俺から目を離していないっていうのを確認出来るだけでも、周りの人は随分と安心できるんじゃないですかね」
「……評判とは恐ろしいものだな。事実など簡単に捻じ曲げられてしまう」
「ま、まぁ俺も実際に結構やらかしてますし……」
「よし、決めた」
「はい?」
日向さんは何かを決意したらしく、凛とした表情でじっと前を見据える。
「次の全校集会の時に、私からお前の事を説明しよう。生徒会の忙しい時期に仕事を手伝ってくれている素晴らしい奴だとな」
「ぜ、全校集会でですか?」
「あぁ。言っておくが止めても無駄だぞ。この状況は私自身が我慢出来ないのだ」
日向さんはニヤリとこちらを見る。
その表情を見て、やっぱりこの人には勝てそうにもないなと思う。
ただ真っ直ぐな意志で自分の道を歩む。それは星奈にもどこか似ているようにも思える。
しかも日向さんの場合は、それにみんながついてくるというカリスマ的なものまで併せ持っている。
と、その時。
俺と日向さんはほぼ同時にとあるものを見つけて足を止める。
「ん、あれは――――」
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