994: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/14(金) 14:08:28.04 ID:zSW76R5do
「私の意見としては、生徒会を手伝うのが良いと思う」
「「は!?」」
声がハモった。俺と星奈だ。
「なんだ?」
「い、いやいやいや、どうしたんだよ急に! つーか夜空って日向さんの事嫌いなんじゃ……」
「あぁ大嫌いだ。私は憎しみを込めてあの女はリア王と呼んでいる」
「リア王? それって確かシェイクスピアの話にあったような……」
「あぁ。リア充の王、そしてシェイクスピアの話のように凄惨な最期を迎えろという意味も入っている。我ながら良くできていると思う」
「…………」
星奈の肉というあだ名も酷いが、こっちはさらに酷い。
ていうか、どんだけリア充嫌いなんだこいつは……。
そんな様子を見ていた星奈は我慢出来ない様に口を挟む。
「じゃあなんでそんな嫌いな相手の手伝いなんかしようって言い出すのよ。あたしもすっごく面倒なんだけど」
「理科部の名を上げるためには中々効果的だ。あの女の近くに居れば人を掌握する術も学べるかもしれん」
「掌握ってお前な……」
「ふーん……まぁ確かに理屈は通ってるけど…………」
「なるほど、てきにしおを送るのですね。上杉謙信のように」
「それはちょっと違う」
俺は幸村に突っ込みをいれつつ、疑問に思うところがあったので首を傾げる。
確かに夜空の言っていることは理屈は通っている。
しかし、いくら理科部の名前を上げるためとはいえ、あの夜空がわざわざ自分が大嫌いな人に関わろうとするだろうか?
「なぁ夜空、本当に理由はそれだけか? 他に何か企んでるんじゃ……」
「…………そ、そんな事はない」
「おい」
明らかに目を逸らしてそわそわとする夜空。
これはどう見ても何かある。
すると星奈は何か気付いたのか、ジト目で夜空を見て、
「あんたまさか……ただ自分の見てない所で小鷹が生徒会の子達と居るのが嫌ってだけなんじゃ…………」
「ぶっ!!! な、なななな何をいきなり訳の分からないことを言ってる肉!!!」
「……分かりやす」
「その目はやめろ!!!」
星奈の言葉に顔を真っ赤にする夜空。
本来夜空はポーカーフェイスは上手いほうだとは思うのだが、こういう場面はダメらしい。
俺は少し気恥ずかしさを感じながら口を開く。
「えっと……でも今日は特に生徒会の仕事はないみたいだぞ」
「それなら仕事の連絡が来たらでいい。その時に理科部で手伝うことにしよう」
そんな事を話し合って、とりあえず今日の活動は終わりという事になった。
まぁこれは生徒会的にもかなり助かるだろうし、中々いい案だとは思う。
問題は人間関係的な面だ。
夜空と日向さんはもちろんだが、星奈と葵もどこかギクシャクしている印象を受ける。
まぁこれを機に、どちらも少しでも仲良くなれればいいなぁ……と、俺は叶いそうもない願いを抱いた。
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