過去ログ - ビッチ
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142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:49:45.35 ID:g/BzIvsyo

 ユキにさよならを言って駅の方に歩き出した僕たちだったけど、いつのまにかナオの手
は抱き付いていた僕の腕から離れ僕たちは手を握り合うこともなく微妙な距離を保ったま
ま歩いていた。

 少し遅れ気味に僕の後からついてくるナオを思いやって僕は後ろを振り向いてナオに声
をかけた。

「ごめん。歩くの速かったかな」

 ナオはそれには答えずに僕から目を逸らした。

 何だと言うのだろう。仕方なく僕はまた歩き出して少ししてナオの方を振り返った。

 ナオは俯いたままでその場に立ちすくんでいた。

 ・・・・・・いったい何なんだろう。もちろん僕にだって思いつく理由としてユキとのメアド
交換が思い浮んだけど、あれは僕のせいでも何でもないだろう。

 ユキを紹介したのはナオだったしユキがメアド交換を言い出した時だって別にナオはそ
れを制止したわけでもない。正直に言えばナオしか目に入っていない僕がユキとメアドを
交換したのだってナオの友だちだということで気をつかったからだ。

 それなのに多分ナオはそのことに拗ねている。僕は少し理不尽なナオの態度に対する怒
りが沸いてくるのを感じた。

 僕はに生まれて初めてこんなに女の子を好きになったといってもいいほどにナオに惹か
れている。彼女のためなら多少の理不尽はなかったことにしてもいいくらいに。

 でも罪悪感を感じていないことに対して謝罪してはいけない。ナオがついてくるかどう
かわからないけど僕は再び駅の方に歩き始めた。

 僕は今まで妹に謝ったことがない。両親の再婚と母さんの愛情が半分だけ僕に向けられ
たことによって妹が傷付いたことは間違いない。そのせいで僕は妹に散々嫌がらせをされ
た。多分その張本人の妹だって期待していないくらいに傷付きストレスを感じた。

 でも僕はそのことで本気で妹を責めたことはなかった。それは妹の痛みを、幼かった妹
にはどうしようもなかった出来事で彼女が傷付いた痛みを理解できたからだった。

 同時に辛い思いをさせたかもしれない妹に対して謝ろうと思ったこともなかった。確かに
明日香は、父さんが母さんを好きになりその結果明日香の本当の父親と母さんが別れて
しまったことに傷付いているかもしれない。

 でも、去年両親に真相を知らされてから考えていたことだったけど、そのことに関して明
日香に対して罪悪感を感じる理由はないのだ、

 そのこととこれとを一緒にする気はないけど、いくらナオが怒ろうと拗ねようと、そして僕
のことを嫌いになろうと自分の今までの考え方を曲げる気はなかった。


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