155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/19(水) 22:18:31.73 ID:CZWxbiQ2o
結局何をしても兄貴の気持ちを振り向かせることはできないのだろうか。
あたしは少し落ち込み気味に考えていた。自分が昨晩やらかしてしまったことはよく覚
えている。昨日はあたしは相当お酒を飲んでいたけど自分がしでかしたことの記憶は何と
残っていた。
あんなことは酔っていなければ思いつかなかっただろう。あたしはふらつきながら帰宅
するとリビングでお気に入りの音楽をかけた。相当な音量だったのだろう。普段はあたし
を無視する兄貴がわざわざ自分の部屋から出てきてオーディオの電源スイッチをオフにし
に来るほどに。
「近所迷惑だろ。何時だと思ってるんだよ」
「うっさいなあ。あたしのそばに来ないでよ」
この時の兄貴とのやり取りは酔っていたせいもあってあまりはっきりと覚えていない。
ガキといわれて反発した記憶がうっすらと残っているくらいだ。
次に意識がはっきりした時、あたしはバスルームでシャワーを浴びていた。間違って冷
たい水を浴びたせいか一瞬だけあたしの心がはっきりと覚醒したのだ。
奈緒から兄貴を守るためには手段を選んでいてはおぼつかない。それがよくわかってい
たから、酔いに任せてその手段に出たこと自体は今思い返してもあたしは後悔していない。
あたしはそのままの姿でバスルームを出た。もし兄貴がその気になってあたしを襲って
もいい。
その時はあたしはその覚悟を決めていた。イケヤマを拒否して待たせてたあたしが、好
きでもない兄貴にそういうことをされるかもしれないことはよくわかっていたけど、もう
手段を選べる状況ではないのだ。
真面目な兄貴だってしょせんは高校生の男子だ。
「お兄ちゃんの言うとおりにシャワー浴びたてきたよ」
あたしは兄貴に微笑みかけた。「どう?」
「どうって何が・・・・・・つうか服着ろよ」
兄貴は臆病にも程があるけどあたしの裸身から目を逸らした。
「お兄ちゃん、ちゃんと見て。これでもあたしはガキなの? ねえ。これでもあたしって
ガキなの?」
あたしは兄貴に近づいた。「あたしを見てどう思った?」
兄貴は身を固くして下を向いている。
「あ、そうか。お兄ちゃんってキモオタだから見ただけじゃわかんないのか」
「おい、よせよ。僕たちは兄妹だろ」
「何言ってるのよ。本当の兄妹じゃないじゃん。それにそんなことは今関係ないでしょ」
あたしは裸のままで兄貴に抱きつこうとした。その時視界が傾いて歪んだ。やはりちょ
っと飲みすぎたみたいだった。
あたしはそのまま意識を失った。
1002Res/1204.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。