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171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/22(土) 23:51:25.06 ID:f/e6iMFao

 回想にふけっていたあたしは思わずユキを見失って狼狽した。

 慌てて駅の方に向かうと一人で改札口を通ってホームに向うユキの姿を見つけることが
できた。

 これからどうしよう。

 何となくユキに着いてきたあたしだったけどもう何も考えつかなかった。兄貴たちのこ
とは既に見失った。そして心配していたようにイケヤマがユキのことををすぐにどうこう
するつもりがないならこれ以上ユキを追っていても仕方がない。無理矢理言うことを聞か
されるのではなくユキが自らイケヤマに接近するならもちろんそれは彼女の自由だった。

 それにしてもさっきイケヤマは何と言ってユキの気持ちを掴んだのだろう。金髪ピアス
のあの男がただ一言でユキを笑わせたのだ。

 見失ってしまったけど今からイケヤマにメールでもして話を聞きだそうか。あたしは一
瞬そう考えたけど、せっかくしつこいイケヤマから別れることができた以上何もこちらか
らあいつに接触する必要はないとあたしは考え直した。

 突然のことにイケヤマとユキとの会話が気にはなっていたけど、やはり心底から心配な
のは兄貴と奈緒のことだった。あいつらは今日はどこでデートするつもりなんだろう。

 あたしはそこで思いついた。そうだ。兄貴のことやイケヤマのことを同時に聞きだせる
相手がいるじゃない。

 ユキは奈緒と同じ学校でピアノ教室からも一緒に帰っていた仲だ。それが一人で帰って
いるということは奈緒に彼氏が出来たことを知っているのだ。それに奈緒が実際はどんな
女なのかも仲の良い関係のユキなら知っているかもしれない。

 ユキと話ができれば奈緒のことやさっきのイケヤマの会話のことも両方聞けるのではな
いか。あたしはユキとは何の面識もないからこれ無謀な挑戦かもしれないけど試してみる
価値はある。もともと兄貴を守るためなら相当無理をしてもいいと考えていたのだし。

 あたしは改札口を抜けてホームに向うエスカレーターに乗ったユキを追い駆けた。


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