184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/24(月) 23:58:31.97 ID:iCwr9AuZo
「でもお兄さんは奈緒ちゃんと付き合ったばかりですし」
もう一歩だ。そしてあまり無理をしすぎてもいけない。あたしはユキに笑いかけた。
「そうだよね。ごめんね、変なこと言って。今日は偶然ユキちゃんを見かけたのでこの間
の夜のことを謝りたかっただけなのに」
「それはもういいですよ。それに助けてくれたのは明日香さんとイケヤマさんだし」
「ねえユキちゃん。図々しいお願いだけどあたしとメアド交換してもらってもいいかな」
「もちろんです。ナオトさんの妹さんとも仲良くなれたら嬉しい」
ようやくあたしの持ち出した話題で緊張していたユキがほっとしたように答えた。
「よかった。もうこれ以上はしつこく言わないけど、もし兄貴が奈緒ちゃんに振られたり
したら。その時は兄貴のこと慰めてやってくれる?」
「そんなこと起こらないですよ。今日だって相思相愛って感じでしたよ、あの二人」
「ユキちゃんってあたしの兄貴が彼氏だったらいや?」
「だから奈緒ちゃんは親友で・・・・・・」
「仮にだよ、仮に。兄貴が奈緒ちゃんと付き合っていなくて兄貴がユキちゃんに告ったと
したら、ユキちゃんはどう思う?」
ユキは答えなかった。でも俯いたその顔は真っ赤に染まっていた。
これなら大丈夫だろう。もう少し時間をかけてユキをその気にさせよう。
「せっかくアド交換したんだから何でもいいから兄貴にメール送ってあげてね?」
ユキは真っ赤な顔でかすかにうなずいた。
目論見どおりなのにどういうわけかその時あたしは胸の片隅がずきりと痛んだような気
がした。
自分からけしかけておきながら何でだろう。まさか兄貴のことを考えて顔を赤くしてい
るこの子に嫉妬したのか。
そんなはずはない。あたしは兄貴のことなんか本気では好きでも何でもないんだから。
「どうかしましたか?」
まだ少し赤くなったままでユキが不思議そうにあたしの方を見た。
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