313:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/11(木) 00:19:04.71 ID:hMF93hg2o
「じゃあ、本題に入るけど。あたしは全部を知っているわけじゃないけど、姉さんの妹だ
し結城さんとも古い知り合いだから奈緒人に教えられることはあるんだ」
「でも、本当はあたしが勝手に教えちゃいけないんだと思う。結城さんや姉さんが奈緒人
に話すべきだと思ってから、あの人たちが直接奈緒人に話すことだしね」
「はい」
僕は緊張しながら言った。
「でもこんなことになった以上、奈緒人が全部知るべきだという明日香の意見は正しいと
思う」
ここで少し叔母さんはためらった。
「でもね、そうは言っても、姉さんや結城さんに奈緒人と奈緒ちゃんが付き合ってたなん
て言えないしね」
それは叔母さんの言うとおりだった。これだけはとても両親に知られるわけにはいかな
いのだ。
「だから、姉さんや結城さんには怒られちゃうかもしれないけど、あたしが知っているこ
とは全部あんたたちに話すよ」
「ちょっと待って」
明日香が不審そうに言った。「あんたたちってどういう意味? あたしはママの離婚前
の出来事とかは、お兄ちゃんと違って記憶に残ってるし、それにあたしは叔母さんに昔の
話を聞いてるよ」
「明日香にだって全部話したわけじゃないのよ」
叔母さんは僕を見つめた。「今だって奈緒人は傷付いてると思うけど、昔の話を聞いても
平気なの?」
「うん。明日香とも話したけど、僕は聞いておくべきだと思う。それに辛くても僕には明
日香がそばにいてくれるし」
「そうか。いい兄妹になったね、あんたたち」
こんなときなのに叔母さんは嬉しそうに言った。
「それから明日香」
「何よ」
「あんたにも話していないこともあるからさ。奈緒人だけじゃなくてあんたにだってショ
ックな話もあるかもよ」
一瞬、明日香は黙った。それから僕を見ながら叔母さんに答えた。
「うん。それでも聞かせて。お兄ちゃんにあたしがいるように、あたしにだってお兄ちゃ
んがついていてくれると思うから」
僕は明日香の手を握った。
「わかった」
僕たちが手を取り合ったのを見て叔母さんが決心したように言った。
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