349:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/17(水) 23:48:40.71 ID:jCLNtfmIo
「あたしを利用してまで、ナオトさんと奈緒ちゃんを別れさせた理由って何? あたしは
別に怒ってはいないよ。あたしには話せない事情があるみたいだし、明日香ちゃんがナオ
トさんと奈緒ちゃんのためならあたしが傷付いてもしかたないと判断したんだったら、あ
たしは辛いけど明日香ちゃんを恨んだりはしない」
明日香はうつむいたまま一言も反論しなかった。できないのだろう。どんな理由にせよ
彼女はあたしが傷付くことなんか少しも考慮せずに身勝手な自分の計画にあたしを巻き込
んだだけなのだろうから。
「でも、これだけは聞かせて。まさかとは思うけど、奈緒ちゃんをナオトさんから別れさ
せようとした理由って、明日香ちゃんがナオトさんのことを好きだったからじゃないよ
ね?」
明日香は追い詰められた小動物のようにナオトさんの方を、何か訴えるように見た。ナ
オトさんは相変わらず表情を押し殺して黙っている。
その時、明日香は突然身を翻して駆け去って行った。彼女にとってはあたしが責める言
葉よりナオトの沈黙が堪えたようだった。明日香は自宅ではなく駅前の方に向かって去っ
て行った。明日香の反応が思ったより激しかったことにあたしは少し驚いたけど、これも
いい機会なのかもしれなかった。
「じゃあ、あたしは帰るね。さよならナオトさん」
身じろぎせずに立ち尽くしているナオトさんにあたしは挨拶した。
あたしの家はナオトさんたちの自宅から近い場所にある。あたしは帰宅して自分の部屋
にこもると携帯電話を取り出した。ここまで明日香の悪意が明確になった以上、あたしに
はもうあのビッチに対して遠慮する理由はなかった。
奈緒よりも今は明日香の後始末を、あたしと奈緒をコケにしたあの女の後始末をするこ
とが優先だった。奈緒にはその後で電話すればいい。
数コールで彼は電話に出た。
「あたしだけどさ。あんた今どこにいるの」
「また飲んでるんだ。酔ってないでしょうね」
「そう。それならいいや。今、明日香が駅前の方に逃げて行ったからさ、あの子を捕まえ
て慰めるなり何なりしてみたら?」
「自信がない? そんならもう無理矢理やっちゃえばいいじゃん。前から明日香に待たさ
れて彼女を抱くの我慢してたんでしょ? あの子はあんたなんかに気はないよ。ナオトさ
んのことしか好きじゃないみたいだしさ」
「何ならイイダとかも呼んでみんなで輪姦しちゃえば? 今のあの子ってあんた好みの真
面目そうな中学生の女の子の格好してるしさ」
「わがままだなあ。最初は一対一がいいの? だったらすぐに駅前に行けよ。言っておく
けどあんなビッチに同情する必要なんかないよ。あの子はあんたなんかこれっぽちも見て
ない。ただ自分に都合よく利用することしか考えていないんだしさ」
「ああ、それを知りたいのね。じゃあはっきり言うけど明日香が好きなのはあんたじゃな
いよ。あの子は自分の兄貴のことしか頭にないんだから」
「うん、そう。兄貴はついていっていないから、明日香は一人だと思うよ。じゃあ頑張れ
よ、ようやくあんたの思いがかなうんだからさ」
あたしはイケヤマへの電話を切ってから、今度は少し緊張しながら新たに電話をかけた。
奈緒はまだ起きているだろうか?
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