37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/01(土) 00:17:14.75 ID:JedZn9S4o
朝食を省略しシャワーだけ浴びて昨日の夢と汗を洗い流して僕が早々に家を出た。
妹の部屋を覗くと妹はぐっすりと寝入っているようだった。ただし、昨日僕がかけた
毛布ははだけていてベッドの上の妹は一糸まとわぬ全裸のままだった。僕は目を逸らし
た。
緊張したまま駅前の高架下に着くとそこには既に所在なげに立ちすくんでいるナオの小
柄な姿が目に入った。再び緊張感がマックスまで高まっていく。
でもここでへたれるわけにはいかない。僕は兄友の言葉を思い浮かべた。そうだ、既
にメールで僕は好きだと告白されているのだから万に一つ断られることはないのだ。
「あ」
ナオが僕に気がついて顔を赤くして頭を下げた。
「おはようナオちゃん」
「おはようございます。ナオトさん」
彼女は恥かしそうに微笑んだ。でも体の前で震えている手が彼女の余裕を裏切ってい
た。
こんなに美少女のナオちゃんだって告白の返事を聞くときは緊張するんだ。何だか僕
は新しい発見をしたよう気分になり少し気が楽になった。同時に僕は妹との酷い夜のこ
とを忘れていくのを感じた。
「遅くなってごめんね」
「いえ・・・・・・あたしが早く来すぎただけですから」
しばらく僕たちの間に沈黙があった。でも今日だけはその沈黙を破るのは僕でなけれ
ばいけない。
「メール見たよ。僕もナオちゃんのこと好きだよ。よかったら付き合ってもらえますか」
僕の前に立っている華奢な少女の目に少しだけ涙が浮かんだようだった。僕は言うこ
とを言ってじっと返事を待った。
「・・・・・・はい。嬉しいです」
ナオは僕に抱きついてきたりしなかったけど、潤んだ目で僕を見つめてそっと自分の
白く華奢な手を伸ばして僕の手を握ってくれた。
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