412:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/29(月) 23:43:27.96 ID:sMDby2FSo
僕は試しに僕と明日香が付き合い出したときの周囲の人たちの反応を想像してみた。
兄友は明日香が僕の義理の妹であることを知っているから、驚きはするだろうけどそれ
が社会的なタブーだとは考えないだろう。でも他の人たちはどう思うだろう。考えてみれ
ば僕と明日香が実の兄妹ではないことを知っているのは、両親や親戚を除けばほとんどい
ない。
当たり前のことだけど、父さんや母さんだってわざわざ周囲に再婚家庭であることをア
ピールする必要なんかなかっただろう。それに何といっても去年までは僕自身だって明日
香が自分の本当の妹ではないなんて想像したことすらなかったのだ。
そう考えると、仮に僕と明日香が恋人同士になったときの周囲の反応は考えるだけでも
面倒くさそうだった。僕の友人たちや明日香の友だちはみな僕と明日香が兄妹なのに禁断
の関係になったと思い込むだろうし、そういう噂だって流れるだろう。そういう人たちに
向かって一人一人に我が家の家庭事情を最初から話していくなんて不可能だ。
僕と奈緒が付き合い出したときはそういう問題は生じなかった。誰も僕と奈緒が実の兄
妹だなんて知らなかった。というか当事者である僕たちだってそれを知らなかったのだか
ら。
そう考えると明日香と付き合い出すのは大変そうなのに比べて、奈緒とこのまま付き合
っている方がはるかに自然で楽そうだった。
そのとき僕は胸に鋭い痛みを感じた。今、僕は何を考えた?
奈緒とこのまま付き合うなんてありえない。お互いに生き別れた兄妹だとわかった今と
なっては。
奈緒は僕の妹なのだ。
奈緒と感動的な再会をはたした今朝は、つらい別れをした妹と再会できたことに喜びを
感じただけで、それ以外に余計なことを考える余裕なんてなかった。でも、今改めてこの
先の僕たちの関係を考えてみると、僕は自分の汚い心の動きに気がついた。
最初に奈緒とキスをしたあの夕暮れの日、正直に考えれば僕の下半身は奈緒の華奢で柔
らかくいい匂いのする身体に反応していなかったか。
奈緒とキスを重ねるたびに、次は奈緒に対して何をしようかとわくわくしながら考えて
いる自分はいなかったか。
そうだ。この次は奈緒の体を愛撫し、そしていつかは奈緒と身体的に結ばれたいと思っ
ていた自分がそこにはいたのだ。そしてその気持ちは実は今になってもまだ清算すらでき
ていなかった。
奈緒は妹だ。そして彼女は僕が奈緒に対してこんな破廉恥な気持ちを抱いているなんて
夢にも思っていないだろう。つらい別れをして以来、再会を夢見続けていた奈緒は自分の
兄を取り戻せたことに満足しているのだ。彼氏としての奈緒人が消滅してしまっても気に
ならないくらいに。
それなのに僕はそんな妹に対して汚らしい欲情をまだ捨てきれていない。
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