過去ログ - ビッチ
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/01(土) 21:46:58.07 ID:JedZn9S4o
 僕とナオは並んで駅の方に向かって歩き出した。歩き出してからもナオは僕の手を離
そうとしなかった。

 妹が昨日酔ってたせいで僕は辛い思いをしたのだけれど、結果的に考えるとそのおかげ
で大切な告白の時間を妹に邪魔されずに済んだのだ。あの酔い具合ではあいつは僕の後
をつけて僕を邪魔することなんかできないだろう。その安堵する思いと無事にナオと付
き合えたせいか、僕は急にさっきまでのストレスから解放されて身も心も軽くなってい
った。

 こんな綺麗な子と手を繋いで歩いているのだ。普段の僕なら緊張のあまり震えていた
としても不思議はなかったけど、さっきまであり得ないほどのストレスを感じていたせ
いか、今の僕の心中は不思議と穏やかだった。

「僕の降りる駅までは一緒にいられるね」

 何でこんなに落ち着いて話せるのか自分でも可笑しくなってしまうくらいに。

「そうですね。三十分は一緒にいられますね」
 ナオが微笑んだ。もうその顔には涙の跡はなかった。「ナオトさんっていつもこの時
間に登校してるんですか」

「普段はもう少し遅いんだ。この間はちょっと事情があってさ」

「そうですか。じゃあ明日からは」

 彼女はそこで照れたように言葉を切った。考えるまでもなくこれは僕の方から言わな
きゃいけないことだった。

「よかったら明日から一緒に通学しない? 時間はもっと遅くてもいいしナオちゃんに
合わせるけど」

 彼女は再びにっこり笑った。

「今あたしもそう言おうと思ってました。でもいきなり図々しいかなって考えちゃって」

「そんなことないよ。同じこと考えていてくれて嬉しい」

 僕は僕らしくもなく口ごもったりもせず普通に彼女と会話ができていることに驚いて
いた。緊張から開放され身も心も軽くなったとはいえ、何度も聞き返されながらようや
く告白の意図が伝わった女さんの時とはえらい違いだ。

 そこで僕は気がついたのだけど、きっとこれはナオの会話のリードが上手だからだ。
赤くなって照れているような彼女の言葉は、実はいつもタイミングよく区切りがついて
いてその後に続けて僕が喋りやすいものになっているのだ。

 この時一瞬だけ僕はナオのことを不思議に思った。

 わずか数分だけそれもろくに口も聞かなかった僕のことを好きになってくれた綺麗な
女の子。

 まだ中学二年なのに上手に会話をリードしてくれるナオ。

 何でこんな子と僕は付き合えたのだろう。


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