501:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/10(土) 00:15:14.04 ID:UmSWG1/8o
わかってはいたことだ。今まで曖昧にして突き詰めて考えなかっただけで。
僕は明日香の顔を見たかったけど、俯いて涙を流しているので目を合わせることもでき
ない。少し乱暴だったけど、僕は明日香の顎に手をかけて少しだけ手に力を込めた。たい
した抵抗もなしに明日香が顔を上げた。僕は明日香の目を見た。
「そうだね、明日香。ずっと一緒にいようか」
実の妹にはこんな言葉はかけられない。明日香は妹であって妹ではない。だから僕は奈
緒にはこの先一生言ってはいけないことだって、明日香には言える。
もう手を離しても明日香は俯かなかった。それどころか今までで一番激しく彼女が僕に
抱きついてきた。僕もそんな明日香に応え、両手を明日香の体に回した
「・・・・・・あたしもう大丈夫だよ」
しばらく抱き合っていたあと明日香が言った。
「え」
「怪我なんて大したことし。初めてはお兄ちゃんがいい」
「おまえ何言ってるの」
「ずっと一緒にって言うお兄ちゃんの言葉に嘘がないないなら、お兄ちゃんの部屋に行こ
う。最初はあそこがいい」
明日香が立ち上がって涙を拭いて僕を見た。
「リビングの電気消しておいて。テレビも」
僕は戸惑うばかりだった。
「シャワー浴びてくる。今日もパパとママは帰ってこないから。お兄ちゃんは部屋に行っ
て待ってて」
明日香がバスルームの方に歩いて行った。ちょうどお昼ごろの時間だった。外の雨は激
しさを増し雨音がはっきりとリビングまで届いている。
決断するということはこういうことなのだろう。告白してもなおしばらくは急激な展開
を望まない僕の卑怯な心境が、今いきなり試されているのだ。半ば躊躇しいながらもどう
いうわけか僕の体と感情はこれから起こることに準備を始めていたようだった。明日香の
誘惑に反応している下半身を持て余しながら、僕が立ち上がって夢遊病者のように二階に
上がろうとしたとき、再びチャイムが鳴ってインターホンから玲子叔母さんの声が聞こえ
た。
「おーい。いないのかな、まだ寝てるんじゃないだろうな」
残念なようなほっとしたような心境だったけど、とりあえず僕は玄関に行って鍵を開け
叔母さんを家に招じ入れた。
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