過去ログ - ビッチ
1- 20
514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/12(月) 23:59:03.82 ID:QeP27LQpo

 そのときの俺は単なる参考人のはずだった。明日香を強姦の被害から救ったのだから何
も心配はないと加山という刑事は俺に言った。むしろ署長表彰を受けたっていいくらいだ
と。警察のやつらの言うことなんかを百パーセント信用したわけではないけど、今回のこ
とに関しては俺は何も悪いことはしていない自信があった。飯田に対してはちょっとばっ
りやりすぎた面はあったかもしれないけど、それも明日香を救うためだったしそのことで
傷害罪とかに問われるはずはない。

 でも結局俺は署長表彰を受けて警察にほめられるどころか、まるで被疑者であるかのよ
うな手厳しい事情聴取を受けた。これではまるで取調べだった。取調べの内容があの晩飯
田の小汚いアパートで起きたことだったらまだしも理解できた。でもやつらが聞きたかっ
たのはハーブのこととか女帝、つまり有希の情報だった。

 これでわかった。俺や飯田は前から警察に目を付けられていたのだ。

 俺は自分のしてきた喧嘩や実際にはしていない万引きのことを加山さんにほのめかすこ
とまでして、ハーブや女帝のことなんか何も知らないと言い張った。さすがに何の罪も犯
していないばかりか被害者を救った俺を泊りがけで拘束することまではできなかったよう
で、俺はその日のうちに帰っていいと言われた。

「あまり悪さするんじゃねえぞ」

 警察署を後にするとき、加山さんは俺にそう捨て台詞を吐いた。

 署内にいるときは電源を切られていた携帯の電源を入れた途端、着信音が響いた。有希
からだ。俺は重い気持ちで電話に出た。

「ようやく出た。いったいどうなっているのよ」

 有希が苛立たしそうに言った。中坊の分際でこいつは俺たちを年上として認めてすらい
ないのだけど、今となってはこいつに逆らえるやつはいない。

「俺、飯田を殴っちまってさ」

「そんなことはどうでもいいのよ。あんたと飯田が警察に連れて行かれたって本当なの」

「ああ。飯田は逮捕されたよ。強姦未遂で」

「・・・・・・何やってんのよ。あのビッチ一人をやっちゃうくらいで逮捕とかありえないでし
ょ」

「飯田が悪いんだ。あいつが明日香を無理矢理抱こうとしたから」

 電話の向こうで一瞬有希が沈黙した。

「だからぼこぼこにしてやったんだけどさ」

「あんたら。まさかあのビッチを抱く順番で揉めたんじゃないでしょうね」

 恐ろしく低い声で有希が言った。その声を聞いていると俺の精神が萎縮していくのを感
じた。いつもこうなるのだ。

 お嬢様学校に通っているピアノが上手な中学生の女の子。肉体的にはか弱いもいいとこ
ろだし、こんなガキに怯える必要なんかないはずだ。二人きりになったときにぼこぼこに
してもいいし、今までの鬱憤を晴らすために有希の清楚な富士峰の制服を引き裂いてやっ
てもいいはずなのだ。

 そういう想像をしたことは何度もあったけど、実際に有希の前に出ると体が動かない。
それに今となっては金で有希に手なずけられてしまっている連中が俺に好きにはさせない
だろう。有希に心服している親衛隊のようなやつらがいっぱいいるのだ。もう少し早い段
階で何とか手を打っていればこんな情けないことにはならなかっただろう。でも今では何
をするにも遅すぎた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1204.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice