過去ログ - ビッチ
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559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/17(土) 00:21:16.74 ID:r5CGhVRqo

 渡さんと有希に無視されていた俺は勝手にビールを冷蔵庫から取り出してボックス席に
座った。

 有希は普段は全くといっていいほど男に対して媚びることはないのだけど、以前から渡
さんだけはその例外だった。といっても有希が渡さんに対して男としての好意を持ってい
たかどうかはよくわからない。もともと有希は知り合った頃から謎の多い女だった。

 俺は有希はビアンなんじゃないのかと考えたことがある。有希の親友だという富士峰の
同級生の鈴木奈緒。彼女こそが有希が本当に狙っている相手なんじゃないかと。

 有希は女帝としての自分の姿を奈緒に知られることに対しては極端に気を遣っていた。
要するに奈緒の前ではいい子でいようと努めていたのだ。ついこの間までは有希が奈緒と
一緒にいるときは、絶対に自分に話しかけないように俺たちは命令されていた。

 でもその有希は俺たちに奈緒をレイプするように命令した。結果的には明日香の正義感
のせいでそれは未遂に終ったのだけど、俺は何で有希が大切にしていた親友をそんな目に
あわせようと考えたのか不思議に思ったものだ。ひょっとしたら有希は奈緒に迫って拒否
されたのだろうか。

 でも、それ以降も有希は奈緒と一緒に行動していたようだしそういうことでもないよう
だった。

 謎の多い女だったし有希のことを探ってばれたときの報復も恐かったから、俺はあまり
その辺のことは考えないようにしていた。

「そういや博之。酒井先輩からお礼の電話もらったよ。協力してくれてありがとな」

「・・・・・・うぃっす」

 俺は観念して答えた。有希がこれまで媚びていた渡さんから目を離して、やっぱりねと
いう顔で俺の方を見た。

「おまえには迷惑はかけないって先輩言ってたぞ」

「はい」

「ただよ。今日ちょうどおまえに会えてよかったんだけどよ」

「・・・・・・何すか」

 俺はもうやけくそだった。ここまできたら有希にはもう全部話すしかないことはよく理
解できていたから、これ以上隠すことは何もない。

「酒井さんが心配してたんだけど、インタビューに酒井さんのクライアントの女が一緒に
ついてきたんだって?」

 玲子のことだ。

「ええ」

「その女がきついことを言っておまえを怒らせたそうじゃねえか」

 俺は黙っていた。確かに玲子は俺のことをコケにして俺はそれに対して復讐心を抱いた
のだけど、今正直にそういうわけにはいかなかtった。

「万が一にもおまえがその女に手を出すことがないようにしてくれって、先輩に頼まれた
んだよ。おまえまさか変なこと考えてねえよな」

「無いっすよ。確かにむかついたけど、ああいう大人はみんなそうですし。別にあの女に
何かしようなんて思ってないっす」

「ならいいんだ。変なこと言って悪かったな」

 渡さんはそれで納得したようだけど、有希の方はそうは行かなかった。皮肉っぽい目で
俺の方を嘲笑するように見ている。

「話があるんだろ」

 俺は有希を促した。


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