575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/18(日) 23:46:54.94 ID:HzzsU8/Zo
次の土曜日の午後、僕は明日香の了解をもらって奈緒をピアノ教室まで迎えに行った。
奈緒に僕が明日香と付き合い出したことを伝えるためということもあったけど、最後に話
したときに、奈緒からピアノ教室に迎えに来るように言われていたということもあった。
平日、明日香に付き添って学校を休んでいる間、僕は何回か奈緒にメールしたり電話を
かけたりしたのだけどメールの方には返事がないし、何度もかけた電話の方は通じない。
結局、金曜日の夜になるまで奈緒からは何の連絡もなかった。
それで僕はとりあえず土曜日は約束どおり奈緒を迎えに行くことに決めた。明日香は僕
が自分を置いて奈緒に会いに行くことには反対しなかった。奈緒への伝え方は僕に任せる
と言っていたということもあったかもしれないけど、体を重ねてからというものの、あれ
だけ嫉妬深かった明日香はもうあまり奈緒や玲子叔母さんに対しても嫉妬めいたことを口
にしなくなったのだった。
その代わり明日香は今まで以上にいつも僕の側にいるようになった。
これまでだって大概ベタベタしていた方だと思うけど、そんなものでは済まないくらい
に。極端な話トイレと風呂以外はいつも一緒にいる感じだ。その風呂だって昨日までは僕
が体を拭いていたのだったから、実質的には常に隣に明日香がいたことになる。
心理学上、愛撫、慰め、保護の意識を持つとされる距離感である密接距離のままで。
同時に明日香はやたら甲斐甲斐しくもなった。食事の用意から何から何までも。僕が休
んで家にいたのは明日香の世話を見るためだったからさすがにこれには困った。体調だっ
て完全に回復しているわけではないのだ。
「おまえは座ってろよ。食事なんか僕が作るから」
僕は彼女にそう言ったのだけど明日香は妙に女っぽい表情ではにかむように笑って言っ
た。
「いいからお兄ちゃんこそ座ってて。こういうのは女の役目なんだから」
こういう言葉を明日香の口から聞くとは思わなかったけど、それは決して不快な感じで
はなかった。
「でもおまえ体は・・・・・・」
「もう全然平気だよ。でも良くなったってママに言ったら学校に行かなきゃいけないし、
お兄ちゃんと一緒にいられないから」
「ちょっと・・・・・・包丁持ってるのに」
明日香は文句を言いながらも後ろから抱きしめた僕の手を振り払わずに、包丁を置いて
振り向いた。
「続きはご飯食べた後にしよ?」
結構長めのキスの後で明日香が顔を紅潮させながら上目遣いに言った。
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