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688:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 23:53:46.87 ID:iY2oifS4o

 僕は叔母さんを慰めようと思ったのだけどこういう状況下では言葉はあまりに無力だっ
た。気にするなよとか狂犬に噛まれたとでも思って忘れろよとか言えばいいのか。僕は改
めて明日香の言葉の意味とその背後の悲壮な決心に気が付いた。

 明日香は嫉妬深い恋人だ。その彼女が叔母さんを救うためには僕に何でもしてもいい
(正確にそう言ったわけではないけど)と言うくらいまで思い詰めていたのだ。このとき
の僕は自分の彼女である明日香への愛情を全身で感じそして震えた。

 同時に明日香から託された役目のことも忘れてはいなかった。明日香への信頼と愛情か
らする行為なら叔母さんにもわかってもらえるだろう。甥っ子にこんなことをされて気持
ち悪いと叔母さんが思うようならすぐに止めればいいことだ。

 とにかく今は叔母さんを救うのだ。

 僕はソファに座って俯いて泣いている叔母さんの隣に座った。そして叔母さんの震えて
いる華奢な肩を抱き寄せた。

 ・・・・・・もっと気が利いた慰め方もあるのかもしれない。でも不器用な僕にはこの方法し
か思いつかなかった。それはかつて奈緒や明日香に対して試みた不器用な僕の唯一の愛情
表現だったのだ。

 突然甥に抱き寄せられた叔母さんの体が震えた。

 このときの僕は傲慢だった。明日香にから叔母さんが僕に対して好意持っていると何度
も言われたせいかもしれない。叔母さんが男として僕を気にしているとは信じてはいなか
った。でも心のどこかで叔母さんは僕に抱かれて慰められれば喜んでくれるだろうという
程度の気持ちは確かにあったのだ。

 だから僕は偉そうに叔母さんを抱き寄せたのだ。でも叔母さんの反応は期待していたよ
うなものではなかった。

 甥に突然抱き寄せられた叔母さんは体を震るわせたあと、身を固くして凍り付いてしま
った。もちろん期待していたように僕に体を預けて慰めを求めてくるなんてことはなかっ
たのだ。

 叔母さんの思わぬ反応に狼狽した僕はまた間違えた。ここで叔母さんの体から手を離し
て謝ればよかったのだ。焦った僕は何も反応を見せずに俯いて体を固くしている泣き顔の
叔母さんを抱き寄せてしっかりと抱きしめたのだ。叔母さんの小柄な体は少しだけ弱く抵
抗したけど僕は叔母さんを抱きかかえて離さなかった。

「僕を頼ってよ、叔母さん。一人で悩むなよ・・・・・・叔母さんのことが本当に心配なんだ」

 僕は叔母さんの反応に半ば逆切れしたように大声を出してしまった。

 そのとき叔母さんは怯えたような目で僕を見た。


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