過去ログ - ビッチ
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775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 00:13:31.05 ID:a6JXZXXTo

「そんな訳ないでしょ。でも麻季はもう君の旦那と縁を切っているんだし」

 玲菜がバッグからプリントを何枚か取り出した。

「やり直そうとしている先輩と麻季を邪魔する気はないんです。でも、事実を知らないで
判断するのは先輩と麻季にとってもよくないと思います。余計なお世話かもしれませんけ
ど」

「・・・・・・どういう意味?」

「さっきも言ったように旦那の様子が最近変だったんで悪いことだとは思ったんで旦那の
携帯をチェックしたんです。そしたら麻季と旦那がメールを交換し合ってて。転送すると
旦那にばれそうなんで、旦那が携帯をリビングに置いたまま自宅のスタジオで練習してい
る間に関係あるメールを見ながら全部全部パソコンに入力し直したんです」

 怜菜に渡されたプリントは先輩の携帯の送受信メールのやりとりを印刷したものだった。

「よかったら読んでください」

 僕は怜菜に渡された書類に目を通した。

 最初のうちは久し振りの再会を懐かしがったり大学時代の知り合いの話題を交換したり
しているそういう内容のメールが麻季と先輩の間に交わされていた。メールでのやりとり
が重ねられて行くうちに二人のメールは随分親密な様子に変わっていった。

 僕は胸の痛みを感じながらプリントを読み進めた。メールから理解できた範囲ではその
内容は麻季に告白されたものと事実としては全く同じ内容だったので、少なくとも浮気を
告白したときの麻季が嘘をついていないことだけは確認できた。それでも実際に男女の親
密そうなやりとりを読むことは僕の精神にかなりの打撃となった。メールを読むことによ
って僕は今麻季の告白の事実を実際に追体験させられていたのだ。

 段々と親密さを増していく二人。そのうちメールはもっとも辛い部分に差し掛かった。
この辺りになると少なくともメールの文面上は麻季は先輩に対して敬語ではなくもっと親
しみを込めた口調になっていた。そして先輩も麻季のことを呼び捨てするようになってい
た。



『ごめんさい。あたしも久し振りにコンサートに行きたいし先輩の演奏も聞きたい。でも
小さな子どもがいるから家を留守にできないの。ごめんね先輩』

『それは残念。お子さん、昼間は保育園とか幼稚園とかに行ってるんじゃないの』

『何言ってるの。専業主婦だから保育園には入れません。それに奈緒人はまだ幼稚園に入
園できる年齢じゃありません。先輩って音楽以外のことでは常識ないのね(笑)』

『そっかあ。実家とかに預かってもらえないの? 今度の演奏はぜひ麻季に聞いて欲しか
ったなあ。実は演奏のイメージは大学時代の清楚だった麻季をイメージして作ったんだ。
水の妖精だから麻季にぴったりでしょ(笑)』

『清楚な水の妖精って、子持ちの主婦に何言ってるの(笑)。でもわかったよ。実家に預
けられるかどうか聞いてみる』

『ほんと? やった』


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