765:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/23(日) 22:50:29.90 ID:tH/dTWjVo
その日も僕は編集部で目の回るような多忙な日常を過ごしていた。印刷会社に入稿する
記事の締切日は近づいてきているのに原稿は手元にない。遅筆で有名な評論家の自宅に催
促に行こうとしていた僕は、自分のデスクで鳴り出した電話を取った。
766:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/23(日) 22:53:41.48 ID:tH/dTWjVo
鈴木さんだか太田さんだかの指定した時間は一時間後で、場所は編集部のすぐ近くの喫
茶店だった。幸か不幸か一時間後には何も予定は入っていない。
僕は首を傾げた。非常識な話しだし何が何だかわからないけど、とりあえず行って話し
767:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/23(日) 22:55:22.83 ID:tH/dTWjVo
名刺交換を済ませると僕は彼女にもらった名刺にちらりと目を落とした。
『財団法人首都圏フィルハーモニー管弦楽団 事務局広報渉外課 鈴木怜菜』
768:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/23(日) 22:57:20.85 ID:tH/dTWjVo
しばらく沈黙が続いた。こんな内容なら電話かメールで十分だろう。なぜ彼女はわざわ
ざ会って打ち合わせをしようと言ったのだろう。でも初対面の、しかもこちら側からお願
い事をしている身でそんなことを聞くわけにいかなかった。
769:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/23(日) 22:59:34.15 ID:tH/dTWjVo
「鈴木さん、どうしたの」
僕は驚いて彼女に声をかけた。周囲の客の視線が刺さるようだった。これでは別れ話を
持ちかけている浮気男と振られた女のカップルのようじゃないか。
770:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/23(日) 23:00:05.85 ID:tH/dTWjVo
今日は以上です
771:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/23(日) 23:03:41.97 ID:fqJxMQAgo
予想以上に絡んで拗れてるな
乙
772:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 01:02:06.46 ID:K+3mmNA5o
流石ビッチ
乙
773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/25(火) 08:18:47.55 ID:OqniUmWGo
乙
774:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 00:12:24.20 ID:a6JXZXXTo
麻季の告白のあと僕は鈴木先輩について調べていた。ネットでも情報は手に入ったし、
社の演奏家のデータベースにも情報はあった。新人であればネットの方はともかく社のDB
には音楽雑誌に紹介されているような有望な若手しか登録はない。
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