876:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/25(金) 23:23:10.35 ID:7rNmoFO0o
理恵を送り届けてから実家に戻ったときはもう夜中の二時過ぎになっていた。
支払いを済ませて実家のドアの鍵をそうっと開けて家に入ると、すぐに唯が姿を見せた。
「おかえり、お兄ちゃん」
「ただいま・・・・・・って何でこんな時間まで起きてるんだよ」
「だってお兄ちゃん、なかなか帰って来ないしさ。あたし入社するまで暇だから夜更かし
したって問題ないしね」
「・・・・・・まさか僕の帰りを待ってたんじゃないだろうな」
「何自意識過剰なこと言ってるの。何であたしがお兄ちゃんが帰って来るまでこんな時間
に起きて待ってなきゃいけないのよ」
「違うの?」
「・・・・・・いや、まあ待ってたんだけどさ」
唯はそう言って笑ったけど、すぐに僕の腕を取って自分の方に引き寄せた。
「何だよ」
「シャンプーの匂いがする」
僕は一瞬どきっとした。実の妹にそういうことがばれるのはとても気恥ずかしい。
「理恵さんと休憩してきた?」
唯がストレートに聞いた。
「いや、その」
「よかったね、お兄ちゃん。理恵さんと再婚するならあたしは賛成だよ」
「・・・・・・まだそんな話になってるわけじゃないよ」
「まだ? じゃあ、さっさと決めちゃえばいいじゃん。うちの父さんも母さんも理恵さん
のご両親も誰も反対しないと思うけどな」
「とにかくもう寝る。明日もっていうか今日も仕事だし」
「うん。お風呂に入らなくていいからすぐ眠れるね」
「・・・・・・おい」
「冗談だって。奈緒人と奈緒の横で寝てあげて」
「うん」
「あたしの隣だけど別にいいよね」
「おい」
これで何度目かわからないけど唯はまた可笑しそうに笑った。
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