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941:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/07(木) 22:45:07.73 ID:1AQJe9pWo

「よしなよ」

 玲菜が麻季の言葉を聞いて真面目な表情になった。

「・・・・・・よしなよって何が」

「あんたは今はもう鈴木先輩と付き合ってるんでしょ。それなら他の人にちょっかいを出
して不幸にするのはやめな」

「付き合ってないよ」

「嘘。こないだ麻季と鈴木先輩が抱き合ってキスしてるとこ見たよ」

「あんなの。一方的にキスされただけだよ。あたしは誰とも付き合っていません」

「嘘言え。あんたの方だって鈴木先輩の首に両手を回して抱きついてたじゃん」

「玲菜には関係ないでしょ。何? あんたやっぱり結城先輩のこと好きなんでしょ? そ
れであたしに彼に手を出すなって言ってるんじゃないの」

「違うって」

 そう答えた玲菜の顔は真っ赤ですごくわかりやすかった。何だ。親友とか言ったって結
局玲菜も自分の恋が大切なだけか。なまじ客観的なアドバイスの形を取っているだけ、玲
菜の言葉は麻季を苛立たせた。このとき結城先輩のことがどこまで好きなのかは自分でも
わからなかった。

 鈴木先輩を振って平凡そうに見える結城先輩を選んだら後悔するかもしれない。心の中
でそんな声が聞こえた。でも目の前の玲菜の偽善に腹が立った彼女にはもはや冷静に考え
る余地は残っていなかった。

 お互いに恋愛なんて超越した親友同士だと思っていたのに。玲菜に裏切られた気がした
麻季はもう自分を抑えるすべを知らなかった。

 ・・・・・・最初の突撃は失敗だった。サークルの先輩から聞き出した結城先輩のアパートで
の出来事を思い出すと、さすがの麻季にも恥かしいという感情がしばらく付きまとった。

 あの朝、麻季はアパートの前で結城先輩が出てくるのを待っていた。彼は眠そうに部屋
から出て、ドアの前に立っている彼女を見て驚いて目が覚めた様子だった。


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