過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 01:01:14.44 ID:I1Z6pX9g0
蒔寺氏は高級なニッポン伝統の服飾着を扱う商家で、景気が悪くなると
扱う商品が値の貼る物であるだけに、非常に苦心しているのだという。
アメリカにも不景気の余波が来ていない訳ではなかったが、この小さな島国ほど危機的な状況ではなない。
私は心許し程度の挨拶で済ませるつもりだったが、今以上の取引をさせて欲しいと切り出した。
蒔寺氏は大いに喜んで、できれば何かお礼がしたい、と何度も持ちかけた。
そこで私が伊勢の名前を出すと、「お伊勢詣で」と氏は膝を打って気前よく路銀まで恵んでくれるという。
どうやら伊勢というのはニッポン人にして、ローマかエルサレムのようなところらしく、
参拝する人には施しを与えるのが習わしなのだという。
最後に、氏は遠いところから訪ねてきてくれた私に、とひとつの包みを持たせてくれた。
慇懃な氏に拙い語彙から言葉を選んで礼をのべると包みを開けた。
この時、蒔寺氏はぎょっとしたように私の顔を覗き込んだ。
この時まで私は知りようがないのだが、ニッポン人にとり貰った物を相手の前で開けることは
失礼なことであるらしく、アメリカ人のように品定めして、感嘆するのは好ましからざる行為のようだ。
包みの中身は古めかしい亜細亜の彫刻品で、ニッポンの物ではないようだった。
氏の話では、東南の島国から取り寄せた珍しい品物であるという。
蒔寺氏も、アメリカの貿易商と取引を始めたのもこういった珍しい品を集めたいというのが本音らしい。
氏は自宅にある鉄のタブレットや黄金の装飾品、不思議な円筒のシリンダーなどの珍品を
いつか私に見せたいと言って名残を惜しみながら別れた。
大阪に宿を取った私たちは小柄なニッポン人の注目を浴びつつ、二部屋に別れた。
できる夫と私は同じ部屋に入ると、すかさず魔術的な処理を部屋中に施した。
《対邪神組織》やふたつの”きょうかい”が、目立つ我々に穏やかでない挨拶を試みてくる可能性を
常に私と真紅は想定して行動してきた。このホテルも、霊的、地勢から見て、籠城向きだ。
明日には伊勢を目指す。
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