21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:25:44.16 ID:vKHLHb/h0
なんだか、圧倒される。
犬はじりじりと私に近付いてきて、さっきまで垂れ下がっていた耳はぴんとして、その尻尾はふらふらと揺れている。
妹「でも、本当になにも持ってな……って、ちょっと!」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:26:35.03 ID:vKHLHb/h0
妹「あ、やめなさいって!」
がさごそと尻尾を振りながら私の鞄を漁る犬をなんとか止めようと立ち上がるも、既に遅かったらしい。
鞄の狭い口から顔を出した犬は、なにかをくわえていた。中身はきっとぐちゃぐちゃになっているに違いない。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:27:01.57 ID:vKHLHb/h0
私は犬の口からチョコレートを取り返しながら、ふうと息を吐いた。
とりあえず安心する。
妹「これは、あんたにとって悪いもの、だから」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:27:36.07 ID:vKHLHb/h0
犬は私の腕の中から抜け出すと、さっきの数倍しゅんと耳や尻尾を垂らして俯いた。
唾液で少し濡れた銀紙に包まれたチョコレート。これの他には今、なにも持っていない。
普段は自分から動物に関わることは避けていた。けれどあの鳥のように、時々私の中で「助けてあげたい」という厄介な気持ちが動き出す。
動物の声を聞き取ってしまう自分は嫌いだった。それでも、助けが必要なのは人も犬も同じで、この犬を今助けられるのは私だけなのだ。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 21:43:36.92 ID:vKHLHb/h0
いつもより短いですが今日の更新は以上
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/07(金) 03:42:42.48 ID:fCg2o9JIO
スレタイが悪かったな
また書いてくれよ
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