過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」透華「その4ですわ!」【龍門渕】
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28:>>27最後の文 ○そこは〜、×そこは果たして〜 ◆0CXAHEj7Mc[saga]
2012/09/04(火) 00:46:49.30 ID:OTpLd3ym0
京太郎「……もう日もだいぶ傾きましたね」

照「大丈夫。1日は24時間ある」

京太郎「……それもそうですけど」

だからといってずっと遊ぶことも出来ない。

……2時間という長い時間はどうしても取り戻せない。

照「……京太郎君」

京太郎「はい?」

照「私でよかったの?」

不意に、不安そうな表情を俺に見せた。

他人から見たらそれはいつもの無表情となんら変わりないのかもしれない。

しかし、照さんとそういう関係になった俺からしたらその表情はまるで捨てられた子猫のようだった。

京太郎「……それが誰と比べたものかわかりませんけど」

京太郎「俺は照さんがいいんです」

照「……そう」

あくまで無表情に、無関心そうに彼女はそっぽを向いた。

夕日に照らされた耳はどこか赤い。

京太郎「……さて」

立ち上がる。

京太郎「それじゃ、行きましょうか」

京太郎「まだ終ってませんからね」

す、と照さんに手を伸ばした。

照「……」

こく、と頷いた照さんはその上に人差し指をちょこんと置いた。

そのまま立ち上がり、並んで歩き始めた。

京太郎「これなら迷子になりませんね」

照「……うん」

触れる指が一本、一本と増える。

触れる面積が次第に増えていく。

そうしていつしか俺達の間に、距離はなくなっていた。

照「……京太郎君」

京太郎「はい」

照「――好き」ボソリ

京太郎「……え?」

照「……なんでもない」

そのまま照さんはそっぽを向いた。

……聞き返したものの、実はしっかりと聞こえていたりして。

俺も恥ずかしくて彼女と逆の方向を向く。

……それでも俺達の手は、がっちりとつながれていた。

互いに道を迷わないように、道を間違えないように。

二人で同じ道を歩き続けるように。


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