過去ログ - 奉太郎「守りたいもの」
1- 20
50: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:49:00.61 ID:N0EcB9ms0
 そうだ。そのとき携帯電話は俺の手の中にあった。

 A君はこう思ったに違いない。あの女子生徒が持っているはずだ、と。
 ブレザーを着ているのだから、学校の特定は容易だ。学校に電話をすれば、それほど時間がかかることなく持ち主のあぶり出しは可能だろう。そしてA君はそれを阻止したかった。なんとか内密に自らの手に戻したかった。

 携帯電話の中に、見られたくないものがあるから。

 しかし、俺たちは今、その犯罪の証拠を見つけられないでいる。A君が暴行傷害という罪を犯すほどには切迫している何かがこの中にあると言うのに、である。
 A君が焦ると言うことは、証拠は巧妙に隠されているとは考え難い。ならばどれで、どのような形なのか。

 携帯電話の中に証拠があるとすると、それはメールか写真という形式だろう。留守電は入っていなかったし、アドレス帳は一見してこれだとわかるほどの情報がない。麻薬の売人が「佐藤」という名前で登録されていたら、俺たちには判断する術はないのだから。

 ならばもっと直接的な証拠。かつ、A君が焦るほどには重要な犯罪のそれが残されているはずである。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
78Res/58.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice