66: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/14(金) 11:52:27.56 ID:ojYOkXiS0
「A君は自らの行為が非難される行為だと知っていた。だから慎重にならざるを得なかったし、必死にならざるを得なかった」
「そして、どうする気だい?」
真剣みを帯びた表情で里志が言う。その意味は、つまり裏を返せばこういうことだ。携帯電話を返さなければ事件は終わらない。少なくとも不安要素は残る。
警察が警戒していれば問題はないかもしれない。が、それも永遠ではない。ほとぼりが冷めれば、A君も再犯する可能性だってあるだろう。
無論、A君が怖気づいたり、逆に身の安全を感じて携帯電話をあきらめることだってありうる。それが一番よいのは語るまでもない。
しかしそれを理解できない俺にとっては、念には念を入れる必要があるのだ。
これほどまでに自分の推理――推論が当たっていてほしいと思うことは初めてだった。
今までは千反田の悪癖であったり話の流れでそうすることはあっても、こんなことは思わなかったのに。
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