過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
1- 20
635:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:03:49.22 ID:1M2++lwbo




 扉の向こうは、ショールームに繋がっていた。わたしは奇妙な感覚を受ける。
 まるで鏡の世界に迷い込んだみたいだと思った。緑色のドアから緑色のドアを抜けると、さっきまでいたのと同じ場所に居る。
 向いている方向が逆さになっただけだ。一瞬自分が本当にドアをくぐったのか分からなくなった。
 
 わたしが振りかえると、ちょうどケイくんがドアから出てくるところだった。扉はひとりでに閉まってしまう。

「……」
 
 これでわたしは、ケイくんをこちらに連れてくることに成功したのだろうか?
 そのことが、どんな意味を持つのだろう。この世界に対して、わたしはどうすることができるんだ?

 状況は一切好転していない。相変わらずわたしは何もできていない。
 でも、今はひとりじゃない。そのことは少しだけ気分をマシにさせてくれた。本当に少しだけ。

 わたしたちはさっきも昇った階段を昇り、さっきと同じ扉を開けた。物置になっているその部屋に、荷物を置いておく。
 主にギター。ケイくんは盗まれる心配をしていたけれど、そんなことはありえない。

 ここは既に異空間だ。魔法使いの魔法のその中に、このショールームは含まれている。
 そうでもないかぎり、こんな異変が起こったりするものだろうか?




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
879Res/670.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice