過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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653:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:16:33.09 ID:1M2++lwbo

「……わたしがあなたをここに連れてきた理由だけどね」

 わたしは少しだけ嘘をついた。

以下略



654:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:16:59.60 ID:1M2++lwbo

 そしてわたしは、一応、大雑把にやろうとしていることを伝えてみる。
 その結果彼がどう思うのか、わたしには分からない。

「怠惰なあなたを、この世界のあなたに見せるの。自分のことしか考えずに、ただぼんやりと過ごしたあなたをね」
以下略



655:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:17:52.83 ID:1M2++lwbo

 彼は暗い顔をして俯く。わたしは少しだけ申し訳ない気持ちにもなった。
 でもよくわからない。わたしは彼をどうしたいんだろう。 

「現にこの世界のあなたは、彼女の死を既に回避しているしね。本当に些細なことだったけど、あなたがしなかったこと」
以下略



656:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:18:47.66 ID:1M2++lwbo

 また起こった沈黙にうんざりする。しばらくして、ふたたび彼は口を開いた。

「……また、彼女の未来が失われようとしている?」

以下略



657:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:19:16.76 ID:1M2++lwbo




 すぐに行動するには遅い時間になっていたし、すべては翌日に持ち越すことにした。
以下略



658:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/01(土) 05:19:42.87 ID:1M2++lwbo
つづく


659:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2012/12/01(土) 08:00:25.94 ID:NPzGczBIo
明け方から乙


660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 13:56:34.47 ID:v7ebsIP3o



 夜中の三時過ぎに目を覚ました。
 無人駅の駅舎はじんわりと暑い。外に抜け出す。夜の闇が広がっていた。
以下略



661:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 13:57:10.09 ID:v7ebsIP3o

 わたしは空を見上げている。ずっと見上げている。夜空は変わりなく夜空だった。
 暗闇はどうしようと暗闇だった。幾度見ても暗闇のままだった。どうしようもなかった。そこに置き去りにされているだけだった。

 何がわたしを不安にさせていたんだろう?
以下略



662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 13:57:53.44 ID:v7ebsIP3o

「不安だから、死ぬのか」
 
 とケイくんは言った。それはあたりだ、とわたしは思った。

以下略



663:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 13:58:24.47 ID:v7ebsIP3o

 ……いや、違う。順序が逆だ。わたしが死んだから、お兄ちゃんは死んだのだ。
 ……そうだったっけ? でも、どうしてわたしが死んだからって、お兄ちゃんまで死んでしまうんだろう。
 
 順番が、狂っている。
以下略



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