過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2012/12/03(月) 14:01:30.73 ID:v7ebsIP3o
「だってわたしたちは自分の意思で選んだわけじゃない。自分の意思と現実の流れの摺合せの中でここにたどり着いただけなんだから。
それは結果的なものであって意思的なものじゃない。
目的的なものじゃない。クラゲみたいに流されて、流れの中でぼんやり方向を決めて泳ごうとしてるだけ。
でもわたしたちはクラゲじゃない。クラゲじゃないからいつだって苦しい。いつだって悲しい」
段々と自分が何を言っているのか分からなくなってきた。
でも、この混乱は決してもたらされたものではない。わたしが考えて、考えた末の混乱なのだ。
そこには何かの思考の足跡のようなものが残されているはずだ。
何をどう考えたのかはもう思い出せないけれど、わたしはたしかにそう感じたのだ。
「僕は」
と彼は言う。
「それでもここじゃないどこかに行きたい」
わたしたちはそれから長い時間ずっと黙っていた。星の気配が消えて月が薄く消え始めた。
暗闇が消える。そして太陽が現れるのだ。あの残虐で不条理な光。無神経で八つ当たりじみた光。
わたしは遠くの空に昇る赤い光をじっと眺めた。風が吹いて近くの木々が葉を揺らした。青々とした夏の緑。
わたしたちは今数年前の夏の日にいるのだ。そしてそこで一心に何かを求めている。
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