過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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[sage saga]
2012/09/10(月) 22:08:50.18 ID:f2pJeNOlo
三週間後の土曜日、彼女がひとりで暮らしていたアパートの部屋を、彼女の叔父が訪れた。
部屋の中は整然としていた。生きる為に必要なもの、便利なものはあっても、それ以上の余分なものはなにひとつなかった。
部屋にあったのは無愛想な机と最低限の筆記用具、それから低めのテーブル、小さめの冷蔵庫だけだった。
冷蔵庫の中には大量のミネラルウォーターが入っていた。それ以外には何も入っていなかった。
テレビもパソコンもなかった。本棚もCDラックもなかった。なにもなかった。
机の上には携帯電話が放置されていた。充電は切れていた。
後になってから、彼女に関する情報を求めて、彼女の叔父がその携帯を充電した。
数十分放置されたのち、電源が入れられる。
叔父が画面を開くと、ディスプレイは数百件以上のメールの着信を知らせていた。
それらはすべて(本当にすべて)迷惑メールやメールマガジンばかりだった。
それ以外のものはなかった。ただの一通だってなかった。
誰も彼女に向かって何かを伝えようとはしなかったのだ。
叔父は未送信メールのフォルダを覗き、宛先のないメールが十数通保存されているのを見つけた。
すべてがすべて白紙だった。長く下に伸びていたが、どれだけスクロールしたところで何の文字も浮かび上がらなかった。
その長さはきっと、彼女の未練のようなものだったのだろう。何かがあるはずなのだ、という。
現実問題として、彼女には伝えたいこともなかったし、また伝える相手もいなかった。
それが致命傷だったのだ。
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