過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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725:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 19:11:55.54 ID:h1CoNVIXo

「……ねえ」

 と声をあげた。たぶんあげたと思うのだけれど、それは音にならなかった。
 この暗い場所に、その声は反響すらしなかった。ただ暗闇に吸い込まれていくだけだった。
 誰もいないのだ。

 誰もいない。

「ねえ!」

 とわたしは喉を鳴らした。その音も、やっぱりどこにも向かわない。自分の耳にすら。
 ぽつり、と水滴が落ちる音。耳がおかしくなったわけじゃないのだ。水滴は落ち続けている。ぽつりぽつり。
 
 わたしは体を起こす。起こしてから、その冷たさに身震いした。
 床が、水に浸されている。
 
 水位があがっていく。 
 ――悪趣味だ。

 全身は重い。頭はうまく回らない。わたしは迷路のような控室を歩きはじめる。光は差し込まない。
 



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