過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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792:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/01(火) 15:25:12.82 ID:7p1BbX+Yo







「ドアを開けて」

 とその人は言った。だからわたしはドアを開けた。
 
「行くんだ」

 わたしは振りかえってその人の顔を仰ぐ。表情はそれまでと同じような微笑みだった。 
 周りにはよく知らない人たちが居て、わたしは男物の財布を握らされていた。今となっては曖昧な記憶。
 
「大丈夫」と彼は言った。

「僕の言う通りにすれば、怖いことはもう起こらない。お祖母ちゃんのところに行くんだ。いいね?」

 わたしは話をよく理解していなかったけれど、それでも頷いた。内心は不安でいっぱいだったし、心細かった。
 当たり前のように、その人もわたしについてきてくれるものだと思っていた。

 だから、ドアをくぐった先が、自分の家の自分の部屋だと気付くと、泣き出したいほど怖くなった。
 傍には誰もいなかった。家の中はまったくの無人。わたし以外の人はいない。
 
 母も父も不在だった。




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