過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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798:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/01(火) 15:28:46.28 ID:7p1BbX+Yo




 祖母はわたしを風呂に入れようとしたが、わたしが動こうとしないので「一緒に入る?」と言った。
 わたしは少し抵抗があったけれど、頷いた。祖母がわたしを持て余しているのがよくわかった。

 わたしは例の財布を握ったままだったので、それをひそかに洗面所の影になる部分に隠した。
 それは見られてはいけないのだとなんとなく思っていた。

 そして祖母は、わたしを風呂に入れているとき、わたしの身体にいくつかの痣があることに気付いた。
 服がひどく汚れていることにも気付いた。

 体がひどくやせ細っていることにも気付いた。

 祖母はそれがどういう状況なのかをすぐに悟ったようだった。

 祖母はすぐに母に連絡をしたが、結局母が電話を掛け直してきたのは翌朝六時半のことだった。
 母は祖母が入れた留守電のメッセージを聞くまで、娘が帰っていないことにすら気付かなかったみたいだった。

 祖母は祖父と相談し、しばらくわたしを預かると母に伝えたようだった。母は猛反発したが祖母は聞き入れなかった。

「それって横暴でしょう? ねえ、家族だからって調子に乗らないで。出るところに出てもいいのよ?」
 
 母はそう言ったという。祖母は泣きながら答えた。

「出るところに出て困るのはいったいどっちなのよ? いいからとにかく落ち着きなさい」

 そしてわたしは祖父母の家で暮らすことになったけれど、そこには致命的な問題があった。
 わたしは母から逃げ出したかったわけでも、祖父母と暮らしたかったわけでもない。

 ただ、もう一度“叔父さん”に会いたいだけだった。そしてそれだけが叶わなかったのだ。




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