過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/01/01(火) 15:28:46.28 ID:7p1BbX+Yo
◆
祖母はわたしを風呂に入れようとしたが、わたしが動こうとしないので「一緒に入る?」と言った。
わたしは少し抵抗があったけれど、頷いた。祖母がわたしを持て余しているのがよくわかった。
わたしは例の財布を握ったままだったので、それをひそかに洗面所の影になる部分に隠した。
それは見られてはいけないのだとなんとなく思っていた。
そして祖母は、わたしを風呂に入れているとき、わたしの身体にいくつかの痣があることに気付いた。
服がひどく汚れていることにも気付いた。
体がひどくやせ細っていることにも気付いた。
祖母はそれがどういう状況なのかをすぐに悟ったようだった。
祖母はすぐに母に連絡をしたが、結局母が電話を掛け直してきたのは翌朝六時半のことだった。
母は祖母が入れた留守電のメッセージを聞くまで、娘が帰っていないことにすら気付かなかったみたいだった。
祖母は祖父と相談し、しばらくわたしを預かると母に伝えたようだった。母は猛反発したが祖母は聞き入れなかった。
「それって横暴でしょう? ねえ、家族だからって調子に乗らないで。出るところに出てもいいのよ?」
母はそう言ったという。祖母は泣きながら答えた。
「出るところに出て困るのはいったいどっちなのよ? いいからとにかく落ち着きなさい」
そしてわたしは祖父母の家で暮らすことになったけれど、そこには致命的な問題があった。
わたしは母から逃げ出したかったわけでも、祖父母と暮らしたかったわけでもない。
ただ、もう一度“叔父さん”に会いたいだけだった。そしてそれだけが叶わなかったのだ。
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