過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」

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860: ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/09/22(土) 03:28:29.51 ID:zNrYq03So
京太郎「あ、すみません、今……何て？」

本郷「ククッ……耳まで粗末か。まあ、そんな家畜が食うようなゴミをありがたがっているようじゃ、それも当然……」

透華「――――――――ぅ、く……」

　自分でも上手く作れたとは思っていなかったのだろう、俯いて膝の上で拳を握る透華は、羞恥と悔しさで耳まで赤くしている。

本郷「まともな飯も食えねぇ貧乏人……金もない頭も悪い貴様みたいな連中が、俺達みたいな選ばれた人間と同じように麻雀を打つことさえ不自然……。それを許してやってるのはなんでだと思う？」

　それでも、一生懸命作ったのだ。
　ハギヨシに一から教わり、慣れぬ作業に幾度も躓きながら、喜んでもらえるはずだと期待に胸膨らませて。
　その渾身の作品をブタの餌、ゴミ呼ばわりされてショックを受ける透華の前に立って、京太郎が低い声で本郷の問いに答える。

京太郎「わかりませんね……つーか、わかりたくもないね」

透華「きょ……たろう……」

　透華の目に映る彼の背中には、ざわりと蠢く空気が纏わりついていた。
　真夏の日中、道の向こうでユラユラと踊る逃げ水に似た、そこにあるのに存在しないあやふやな陽炎。

本郷「わからねぇか、ククッ……同情したくなってくるな。お前達はな……俺のような人間の引き立て役だ、でなけりゃ一緒の卓を囲むのさえ不快……！」

京太郎「ククッ……なるほど……これが、赤木さんの言ってた人をはめることばかり考えてきた人間の発想……痩せた考えって奴か……」

本郷「なんだとっ……！？」

　嘲笑されるという考えもしなかった状況に激昂した本郷に胸倉を掴まれ、爪先立ちになるところまで引き寄せられながら、しかし京太郎の口の端は笑みを形作っていた。

京太郎「よくわかったよ……ありがとう、教えてもらった……本当になんにもわかっちゃいないってことを……」

本郷「――――っ、貴様ァ……！！」

京太郎「まず負けない……あんたには……！」

本郷「ぐ、うぅ……フ、フンッ、デカイ口を叩けるのも貴様が決勝まで来れればの話……仮にそこまで来れたとしても、俺に点棒を毟られるだけ……」

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