過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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302:また消えた ◆0CXAHEj7Mc[saga]
2012/09/13(木) 02:08:45.30 ID:m3e793af0
透華「……///」

透華さんの顔が真っ赤になる。

透華「……///」

彼女の髪の毛が、アンテナが逆立つ。

透華「や、やっぱり無理ですのっ!!///」

京太郎「うわっ!?」

そんな彼女が俺を押しのけるまでそこまで時間はかからなかった。

勢いよくつきとばされたため、俺と彼女の距離は拳5つよりもいくつも大きい距離となる。

透華「……ぁ」

当然、手も離れる。

手持ち無沙汰のこの手が寒い。

透華「……」ｵﾛｵﾛ

それは彼女も同じらしく、自分の腕をぎゅっと握ってオロオロとあたりを見回した。

はて、俺は彼女の前にいるのだけど、と首をかしげて彼女の傍による。

透華「……」ｵﾛｵﾛ

透華「じ……」ｵﾛｵﾛ

透華「じ、自転車さん……早く来て……」ｵﾛｵﾛ

……ああ、もう。

なんて可愛いんだろう、この彼女は。

京太郎「ほら、透華さん。そんなところにいると危ないですよ」

俺は透華さんの手を握ってこちら側に引き寄せた。

安心する冷たさが俺の手を包む。

透華「……ぁ」

透華「……ふふ」

ぎゅ、と握り締められる。

だから俺はぎゅ、と握り返す。

冷たい手と熱い手、それらが混ざり合って俺達の心に暖かさをもたらした。

京太郎「それじゃ、行きましょうか」

透華「ええ、そうですわね。どこに行きますの?」

京太郎「そうですね――」

辺りを見ると、手を繋いだり、腕を組んだり……しまいには抱きついている人がいる。

しかし、俺達はその人たちよりも幸せだ、と断言できるほどにこの心は温かい。

……不意にぎゅ、と彼女の腕を握り締めてみた、

ぎゅ、と握り返されて、またぽかぽかと暖かいものが心に貯まった。

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