24: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:19:32.32 ID:La4hkDje0
俺は百科事典を、元の棚に戻してくると、カバンを肩に掛けた。
確かに、千反田が俺の気持ちを受け入れてくれるなら、それはどんなにか嬉しいことだろう。
しかしそのためには、兎にも角にも、千反田に会わなければ始まらない。
25: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:20:15.10 ID:La4hkDje0
ガラガラ
部室のドアを開けると、千反田はそこにいた。
少しホッとする。
26: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:20:45.94 ID:La4hkDje0
なんだろう? と、少しいぶかしげに思うが、俺の目はそこで机の上の花瓶と、それに活けられた花に向く。
奉太郎「へえ、いいじゃないか」
える「えっ?」
27: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:21:29.21 ID:La4hkDje0
千反田は、顔を窓の外に向けたまま、答えた。
なんだ? やっぱり様子がおかしい。
……昨日のことを、気にしてるのか?
28: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:22:10.18 ID:La4hkDje0
千反田は、やはり顔を俺の方に向けることなく、答えた
……何てこった。
昨日あの後普通だったから、大丈夫だと思ってたのに。
29: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:22:49.06 ID:La4hkDje0
とりあえず、いつもの椅子に腰掛ける。
正直、どうしていいものか、分からなかった。
それにしても、千反田に冷たくされるのが、こんなに堪えるとは思わなかった。
30: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:23:28.35 ID:La4hkDje0
奉太郎「あ、あのな……」
ダメだ! 声が震えているのが自分でも分かる。
だが言わねば。
31: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:24:05.42 ID:La4hkDje0
奉太郎「突然あんなことされたら、そりゃお前でも怒るよな。
俺がバカだったんだ。こんなこと言うのはムシが良すぎると、自分でも思う。
昨日のことは忘れて、その、今まで通りに振舞ってくれないか?
もうあんなことはしない。約束する」
32: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:24:39.30 ID:La4hkDje0
千反田の方を向くと、肩が震えている。
何だ? 笑っているのか?
と、突然千反田は、振り向きざま俺の横を、走ってすり抜けようとする。
33: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:25:15.47 ID:La4hkDje0
える「離して! 離してください!」
違う
今分かったが、千反田は笑っていたのではなかった。
34: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:25:52.90 ID:La4hkDje0
奉太郎「ばっ、関係ないことあるか! 俺が……、俺が昨日バカなことをしたから……」
千反田は俯いたまま、かぶりを振る。
える「それ以上言わないでください……」
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