265: ◆axh.jP1Twpjg[saga]
2012/09/29(土) 00:15:43.89 ID:i9ZekBNR0
里志「ごめん、ホータロー。少し遅れちゃったよ」
全く悪びれずに里志が言う。
奉太郎「別にいいけどな。だが少し急いだ方がいいかも知れん」
里志「そうだね。遅れるわけにはいかない」
俺と里志はスピードを上げる。
田園地帯に差し掛かったところで里志が言った。
里志「それにしても、この時期に桜が見られるなんて思わなかったなあ!」
奉太郎「楽しそうだな」
里志「そりゃあね。みんなで遊びに行くんだ。楽しいに決まってる。ホータローは楽しみじゃないのかい?」
俺は少し考える。まあ楽しみでなければわざわざ来ないよな。
奉太郎「そりゃあ、俺だって少しは……」
里志「そうだろうとも! そうでなくちゃいけないや。たとえ灰色のホータローでもね」
奉太郎「またそれか。俺は……」
里志「冗談さ。最近のホータローが薔薇色してるってのは僕もわかってるつもりだよ」
奉太郎「……」
里志が言ってるのは千反田とのことだろう。俺と千反田が付き合い始めたことを言ってるのだ。
でも、薔薇色なんて言われると戸惑ってしまう。自分ではそう変わったとは思わないのだが……。
だが、言い返すのが面倒で、俺は黙り込むのだった。
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