9: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:10:32.87 ID:La4hkDje0
わたしと摩耶花さんは、並んで椅子に腰掛けました。
える「昨日の放課後は、部室にはわたしと折木さんの二人だけでした。
わたしが来たときは、既に折木さんがいて、いつも通り折木さんは、椅子に座って本を読んでいました」
摩耶花「いつもの光景ね」
える「はい。それでわたしが、たまには部室の整理をしようと言い出したんです。
折木さんは、最初は嫌がっていましたが、最終的には渋々ながらも、手伝ってくれたんです」
摩耶花「あいつもものぐさだからねー。ま、腰を上げただけでも上出来ね」
える「そのときに、この花瓶も出てきたんですよ。折木さんが見付けたんです。
そして整理整頓が終わって……。実は恥ずかしながら、そのあと何を話したのか、詳しくは覚えていないんです。
他愛のない、とりとめのない話をしました」
摩耶花「ふふっ。わかる。ちーちゃんたち、いつもそんな感じだもん」
える「そ、そうでしょうか。それで例によって、何か気になることがあったんでしょうね。
わたしが折木さんに、詰め寄ったんです。顔をこう、近づけて……。
最初折木さんは、文庫本に目を落としたまま、気のない返事をするばかりでした。
でもやがて、わたしのしつこさに観念した様子で、やっとこちらを向いてくれたんです」
摩耶花さんは何がおかしいのか、笑いを噛み殺した様子で、わたしの話を聴いています。
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