過去ログ - 異形使い「あなたを追ってここまで来た!」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/14(金) 20:57:14.37 ID:9g80DiCqo

 想像するに、ガキだから未熟と見るかガキとはいえ異形部隊と見るかで揺れているのだろう。
 あまりいい状況とは言えない。

 正直使わなくていいならあまり使いたくはないのだが、そうもいかなくなった。
 仕方なく革手袋を外して右手の甲を相手に向ける。
 相手からは傷跡にも似た文様が見えるはずだ。それが異形使いの証である。

「化けさせるな! やれ!」
 首領だったらしい一人の合図で賊たちの得物がティナを向く。二人はボウガン、一人が短刀。
 矢が放たれるよりもほんの少し早いタイミングで、ティナは気合を発した。

 気が進まないとはいえ、異形の力の行使には快感が伴う。
 全細胞がくまなく発する激痛を乗り越えれば、その先にあるのは抗いがたい恍惚だった。
 力の奔流に押し流されて目がくらむ。

 右手の甲、そこにある文様が輝きを発していた。
 払うように手を振り下ろすと、もう変化は終わっている。

 身体は既に黒装束姿ではなかった。鎧のような硬質で隆起した肌に覆われ、手からは爪が大きくせり出している。
 見下ろして満足した。異形はこの身に確かに宿った。



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