過去ログ - える「折木さんも…ご経験がおありなんですか?」奉太郎「」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:23:47.49 ID:2r6A/1tO0
 姉貴のことを考えて、ふと俺は立ち上がった。
 窓を開ける。まだ三月も初旬、冷たい風がひゅうと吹き込み、身体を通り抜けていく。
 よく晴れた空を見上げると、一筋の飛行機雲を見つけた。姉貴の乗った飛行機が残したのかもしれない。なんとなく、遠垣内も今これを眺めているような気がした。


83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:25:50.40 ID:2r6A/1tO0
「あの、折木さん」
 いつの間にか、千反田は俺の傍に立っていた。千反田は空を見上げて、どこか遠い目をした。
 俺は「なんだ」と素っ気無く聞き返す。
「失恋も、別れの一つですよね。私、別れは寂しいだけではありません、別れる時、その人が自分にとってどれだけ大事だったかを知る、大切な機会ですから、と言いましたが、あれ、撤回してもいいですか?」
 どうしてだ、と俺は何故か声が出せなかった。


84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:27:01.37 ID:2r6A/1tO0

「私は、お慕いしている方と離れ離れになるなんて……出来そうにもありません」

「――そうか」
 俺は、飛行機雲を見上げたまま、小さく答えた。


85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:30:34.02 ID:2r6A/1tO0
 こうして、俺の神山高校の初年は幕を閉じた。

 春の息吹を感じるには、まだ早く、冬の吐息を感じるにはもう遅い。
 別れの日々は間もなく終わりを向かえ、出会いが始まる。
 桜のつぼみが、いよいよ芽吹こうとしていた。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:31:15.29 ID:2r6A/1tO0
 ◇ ◇ ◇ 

 包み紙を外して、箱を開けると、小さな鍵が入っていた。
 彼は微苦笑し、その鍵を手に落とす。
 ひんやりと冷たい感触。
以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 19:34:04.86 ID:2r6A/1tO0
以上で終わりです。
呼んでくださった皆様、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

今日でアニメ最後とか、寂しすぎるぜ…


88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/09/16(日) 19:43:18.77 ID:2r6A/1tO0
ちなみに供恵さんの年齢設定は完全に妄想

小説でも彼女は謎めいていて魅力的な人物なので
これから出張る話が増えたらいいなぁ


89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]
2012/09/16(日) 19:44:39.77 ID:5Url5hkUo
乙!
また書いてくれよな


90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県)[sage]
2012/09/16(日) 20:13:25.79 ID:CZnByDf7o
おつかれー


91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)[sage]
2012/09/16(日) 20:15:30.49 ID:oPCKBVeRo



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/09/16(日) 20:31:30.21 ID:2r6A/1tO0
>>89
>>90
>>91
ありがとうです

以下略



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